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第二章
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「としやぁ~っ、今日アフターしてよお~!」
最後のお客をお見送りするのに、店の外へと出た迅鵺の隣に居るのは見た目は若いが今日一番の売上となったお客だ。
そのお客に、甘ったれた声でアフターをねだられる迅鵺は、お客を自分の方へと肩を抱いて引き寄せ、お客の耳に唇をくっ付けて囁いた。
「今日は駄目だって言ったろ?彩香はおりこうさんだもんな。今度ご褒美やるから聞き分けろ。」
そう言ってすぐに、身を離した。
客はというと、頬を赤らめうっとりとした熱い目で迅鵺を見詰めて、分かったよ・・と頷いている。
お客が帰って行くのを確認して店内へ入ろうと振り返ると、すぐ目の前に響弥の顔があって迅鵺は小さな声を上げて驚く。
「うわっ!きょ、響弥さんっ」
そんな様子の迅鵺を見て、楽しそうに笑う響弥は悪戯な表情だ。
「ははっ、お前ビビりすぎ。にしても流石は迅鵺だな。一発で黙らせてやんの。」
今のお客の事を言う響弥はケラケラ笑っているが、迅鵺のお客の中でも金を使う分、面倒な方のお客だ。
「響弥さんだって客宥めんの得意じゃないっすか。」
そう言って響弥の肩にポンっと手を乗せると、店内へ入っていった。
────店を閉めた迅鵺と響弥は、迅鵺のマンションへとやって来ていた。
今の時刻は一時半過ぎ。
まずはポストを確認すると、いつも通り写真とメッセージカードが一枚ずつ入ってる封筒が投函されている。
中身を確認すると、カーテンを付けてからは室内で撮られる事は無くなったようで、今日の写真はマンションのエントランスから出てきた今日の迅鵺の姿だった。
そして、メッセージカードには今までで一番気味悪い事が書かれていて、その内容に迅鵺は思わず冷や汗をかく。
“今日は迅鵺さんの夢を見たよ。とても気持ち良かったなぁ・・直接、迅鵺さんに触れてみたいよ。”
封筒を開けたのは響弥だったので、メッセージカードを持っているのは響弥。
迅鵺は響弥の横から文面を読むと、咄嗟に響弥の手からメッセージカードを奪い握り潰した。
“やっぱり、ストーカーもアイツなんじゃ・・”
そんなあり得ない想像をしてしまう程に文面からはあの男特有の独特な嫌な雰囲気を感じてしまう。
響弥は、そんな様子の迅鵺を落ち着かせようと肩を二度叩く。
「確かにイカれてるな。どんな痴女なんだ?」
冗談ぽく言うけれど、迅鵺には笑う余裕がなかった。
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