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第三章
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「ねぇ、迅鵺・・今日の営業終わったら私とデートしてよ。」
TOP SECRETの客席に座り、綺麗にネイルされた爪先で綺麗なストレートヘアを巻き取る仕草をしながら迅鵺に言い寄る美人なお客。
迅鵺はその髪の毛を弄る手を軽く握ると、お客の指に口付ける。
小さくリップ音を鳴らし、お客を上目遣いで見詰めると甘い言葉を囁いた。
「玲奈、君はそんな安い女じゃないだろ?今度、改めて俺から誘わせろって。」
すると、玲奈と呼ばれたお客は気分を害することなく納得してくれる。
こうして今日も、いつも通り迅鵺の当たり前な夜が終わるのだと思っていた。
響弥の立てた作戦通り明日の午前中から行動を始めて、何かしらの手懸かりを掴むのだと──・・
「「いらっしゃいませっ!」」
遠くの方で来客を知らせる声が聞こえて、その少し後に内勤の男が迅鵺が居る席へとやって来る。
※内勤=主に案内係や伝票管理、ホストの付け回し等の役目を担う人
「迅鵺さん、新規のお客様です。」
内勤が耳打ちすると、新規客から指名が入ったという知らせを聞き、迅鵺は玲奈に一言断って席を立った。
※新規客=初めて来店される客のこと
新規客からいきなり指名ということもあるが、そんなに毎日頻繁にある事ではない。
きっとNO.1ホストがどんなものなのか品定めに来たか、ミーハーな客だろうと思いながら新規客の席へと向かう。
しかし、迅鵺がそこで見たモノはとんでもないモノだったのだ。
なっ──・・なんで、コイツがここに居るんだ!?
迅鵺は、今までで一番の恐怖に遭遇したかのように、営業中だという事も忘れてその場に立ち尽くしてしまった。
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