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第三章
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────カーテンを開けてから数日。迅鵺の部屋に響弥も毎日寝泊まりして過ごしたが、怪しい人影は屋上には現れなかった。
それどころか、一ヶ月以上も毎日欠かさずポストに入っていた封筒も入っていないし、今まで散々感じていた嫌な視線も感じない気がする。
呆気ない程なにも起こらなくて、逆に気持ち悪いくらいだった。
「こんなんじゃ埒があかねぇな・・もしかして、俺と行動してるから警戒してんのか?」
響弥の言葉に迅鵺も同感というように頷いて、つい間の抜けたような返事をしてしまう。
「────そうっすね・・」
「そういえば、あの店に来た男はどうなったんだ?」
まだ数日しか経っていないが、悠叶はあの日以来、一度も店に来ていなかった。
迅鵺も少し気になっていたが、連絡先を交換している訳でもないし、悠叶が来店しない限りコンタクトを取る手段はない。
結局、響弥は自分のマンションへ帰る事になり、迅鵺は自分のマンションでの生活に戻り、様子を見る事にした。
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