アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
第四章
-
*****
「───はる、と・・さんっ、起きて、下さいってっ!」
ドサッと音を立てて玄関に入った瞬間、床に倒れ込む迅鵺と雑に扱われてもビクともしない酔っ払いの悠叶。
悠叶は目を覚まさず、迅鵺は溜め息を吐く余裕もないくらいゼエゼエと肩を大きく上下させている。
「もおおおっ!悠叶さんっ・・」
迅鵺は暫くそのままの体勢で荒くなった息を整えると、悠叶の靴を脱がし、再び悠叶の腕を自分の肩に回してズルズルと引き摺りながら寝室のベッドへやっとの思いで乗っけた。
「悠叶さん覚えてて下さいよ。この借りはきっちり頂きますからねっ!」
聞こえる筈もないのに、寝ている悠叶に悪態吐くと寝室から出て行きキッチンへと直行する。
そのまま冷蔵庫にある500mlのミネラルウォーターを一気に飲み干して、今度はバスルームへと向かった。
シャワーを浴びてスッキリした所でやっと一息ついてホッとした溜め息を吐く。風呂上がりの濡れた髪の毛をバスタオルで拭きながらリビングのソファーに座った迅鵺は、ふとバルコニーの窓に目線をやった。
そこには、深く濃い藍色の夜空が広がっていて、リビングのカーテンは付いてはいるけれど、おかしな事が起きなくなって暫く経ってからは開けっ放しにされている。
風呂上がりも元通りボクサーパンツ一枚で彷徨くようになっていて、今もその格好のままソファーで寛いでいた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
38 / 140