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第五章
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ああ───、迅鵺さんが行ってしまう・・・
悠叶は、情けなく外壁に背中を預けて座り込んだまま迅鵺の離れていく背中を見詰めていた。
悠叶は響弥に殴られた時、我を取り戻すと同時に思い出してしまったのだ。
以前にも同じように、迅鵺の首を絞めた手の感触を。
そして、嫌がる迅鵺を組み敷き無理やり犯した事を。
「俺は、なんてことをっ──・・」
誰も居なくなったこの暗い路地裏で、悠叶は声をあげて泣いていた。
もう、迅鵺に会いに行くことすら出来ない。
“こんな重要な事さえ、俺は解っていなかったのか!?”
大変な事をしておきながら、のうのうと迅鵺のお店にまで行き始め、通った。
「────正真正銘の、とんでもないキチガイ野郎じゃないかっ・・俺は・・」
悠叶は、酷く自分を責めた。
迅鵺を苦しめて犯した夜の事も、響弥に見せつけるように辱しめた夜の事も。
悠叶は今の今まで、夢の出来事だと思っていたのだから。
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