アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
第七章
-
「あと一週間とちょっとでクリスマスイベントだ。分かってるだろうが営業しろよっ!当日は席も混むだろうから、ハッキリ言って早い者勝ちだ。ここにいる全員をライバルだと思え。」
営業前のミーティングで代表から喝が入る。代表の言葉に全員が返事をしたのを確認すると、ミーティングは終わり、いつものように営業が始まる。
「迅鵺~っ、もう行っちゃうの?」
「悪いな。もっと傍に居てやりてぇけど、ここじゃあお前だけ構う訳にもいかねぇんだ。お前なら分かってくれるだろ?足りねぇ分はアフターしてやるから、なっ?」
他の席に移動しようとする迅鵺を甘えて引き留めるお客に、迅鵺は慣れたように囁いてお客の頬を手の甲で撫でる。
こんないつもと同じTOP SECRETの風景の中、迅鵺もいつもと同じ日常を送っている。
ただ一つ、そんな日常の中で、いつもと違う出来事が迅鵺の身に起こっていた。
泣いてる悠叶の夢を見たあの日から毎日、約一週間もの間、一日も欠かす事なく全く同じ夢を見ていたのだ。
これが、どういう意味を指しているのか、はたまたなんの意味もないのか分からないが、迅鵺は会って悠叶の事を知りたいという思いと、また殺されそうになったら・・という思いの間で気持ちが揺れていた。
もう、あんな死にそうな思いはしたくないし、優しかった悠叶に、また裏切られる思いはしたくない。
そして、今日もその二つの思いに悩んで、決断を仕兼ねていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
67 / 140