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第七章
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そして、迅鵺への想いも募りに募ったある夜。悠叶は、夢を見たのだ。
迅鵺を組み敷き、思うままに滅茶苦茶に犯した夢を。
白く綺麗な首に、食い込んでいく自分の手の感触。
苦しそうなのに、威嚇するような反抗的な目。
徐々に赤く逆上せていく顔。
瞳は濡れて、だらしなく涎を垂らしている口元。
苦痛のあまり、悠叶の手を引き剥がそうとする手つき。
全身強張った、美しい身体。
迅鵺の全てが、悠叶を魅了した。
悠叶は夢から覚めると、とても生々しくリアルな感覚に酷く興奮していて、夢精していた事に気付くと罪悪感で胸を痛めた。
それでも、夢の出来事であって現実世界では決して触れてはいないのだから、たった一度の夢でくらい許されてもいいだろうと、悠叶はそう思う事にしたのだ。
けれど、悠叶は次の日の夜も夢を見てしまった。
いつも迅鵺の傍に居る響弥に、まるで見せ付けるように迅鵺を脅し辱しめた夢。
この日は、迅鵺の部屋に響弥と一緒に入って行くのを近くで見ていて、更にはまた、二人でタクシーに乗って何処かへ行ってしまった。
嫉妬心に溺れそうになりながらも、なんとか押さえ込んで帰宅した日だった。
確かに、悠叶の中には響弥への激しい嫉妬心があった。
それでも、夢から覚めた悠叶は、またもやリアル過ぎる夢に怯えていたのだ。
もし、夢の出来事が悠叶の強い願望から見せられているのだとしたら、いつ自分の欲望を現実(リアル)にぶつけてしまうかも分からない。
現に、最初は自己満足で写真を撮って、影ながら見ているだけでも良かった筈なのに、悠叶の行動は明らかにエスカレートしていのだから。
そんな自分に怖くなった悠叶は、写真を撮る事もポストに封筒を投函する事も、その日を境に全て辞めたのだった。
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