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第七章
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「─────っ、夢って・・でも、俺は本当にっ・・」
衝撃的過ぎる悠叶の話に、なんとかついていくのに精一杯といった様子の迅鵺。
悠叶は“夢”だと言ったが、全く同じ目に遭っている迅鵺は混乱もするだろう。
迅鵺を想う気持ちと欲望が強すぎて、悠叶が夢だと思っていたあの日の出来事は、迅鵺にまで影響を与えてしまっていたのだ。
化学的に説明をしろと言われたら無理な話だが、悠叶は想いごと自分の霊(たましい)を迅鵺の元へと、無意識に飛ばしてしまっていた。
「────やっぱりそうだったんだ・・半信半疑だったけど、あのお店の路地裏での感覚・・・」
悠叶は、迅鵺の首を絞めたことが初めてではない気がしていた。
あまりにも手の感触に覚えがあったから。
悠叶は、震える自分の両手の平をジッと見詰めた。
「俺、まさかそんな事になってるだなんて、思ってなかったんです・・」
「────要するに、悠叶さんがストーカーで、二回も苦痛を味わったあれは、悠叶さんが俺のことが好き過ぎて、生き霊まで飛ばしてきたせいだと?・・そういう事なんすか?」
最早怒る気力もないようで明らかに呆れている迅鵺は、深い溜め息を吐く。
迅鵺の呆れ顔に、悠叶はしゅんと落ち込んだように肩を丸めて“───多分・・そういう事なんだと思います”と、たどたどしく言った。
「───悠叶さん、ここまで来ると流石にすげぇわ。だって俺、客の生き霊だって見たことないんすよ?」
迅鵺の言葉に、罰の悪そうな表情の悠叶。
ホストに通うお客の中には、ホストに執着するあまり、嫉妬心も独占欲も大きくなっていって、時には事件になったりもするくらいだ。
単純に考えると、そんなお客達よりも悠叶の気持ちは大きかったということになる。
迅鵺は、悠叶の気持ちの大きさに戸惑いつつも、あの男の正体が自分を慕う気持ちから現れたモノだったと知っただけで、例えされたことの事実は変わらなくとも、今まで感じていた恐怖心が薄れていくようだった。
そして、迅鵺はまた少し考えると、まだ不可解な事があることに気付く。
「悠叶さん──・・部屋ん中の写真ってどうやって撮ったんすか?」
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