アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
第八章
-
迅鵺は少し考えた後“響弥さんの気持ちは知ってます”とだけ、悠叶に伝えた。
詳細まで話したら、また揉めそうだと思ったし悠叶の事と同じように、響弥の事も誤解して欲しくなかったからだ。
「響弥さんとは、そういう関係にはならないっすよ。それは響弥さんも分かってると思います。」
「────正直、安心は出来ないです。だって、俺は迅鵺さんの事が好きですから・・でも、迅鵺さんにとっては大切な人だっていうのも知ってます。だから、迅鵺さんが話したいなら俺のこと言ってもいいですよ。迅鵺さんの事は信用してますから。」
真面目に“迅鵺さんの事が好きですから”なんて言われて、つい照れてしまう迅鵺だが、信用してると言われて、嬉しい気持ちにもなった。
「ありがとうございます。多分、今日の営業終わりにでも話すと思いますんで。」
悠叶の返事を確認して、そろそろお店に向かわなきゃいけない迅鵺は、玄関で靴を履くとドアノブに手を掛けながら、思い出したように顔だけ振り向かせて悠叶に訊ねた。
「あっ、悠叶さん明日って何か用事あります?」
「明日ですか?この怪我なので当分はバイト休みですし、特に何もないですよ。」
不思議そうに首を傾げる悠叶を他所に、迅鵺は一方的に納得すると部屋を出ていってしまった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
82 / 140