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第八章
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「それよりよ、ヅラなしでも似合うのな 。」
ニヤニヤと迅鵺の顔を見ながら、いきなり何を言うのかと思えば“お前、可愛いな”なんて言って、最早開き直っている響弥に、はっと大事なことに気付く迅鵺。
「そっ、そういえば・・!可愛いってなんすか!?ふざけてないで買ってきて下さいよっ」
面と向かって響弥に“可愛い”だなんて言われたことがない迅鵺は、背中がムズムズとした感覚になり、顔を赤らめて言って退ける。響弥は楽しそうに笑いながらメイク落としを買いに行ってくれて、戻って来るなり迅鵺は響弥からメイク落としを奪い取り直ぐに化粧を落とした。
「なあ、腹減らねぇ?今日は、俺の客のせいで世話掛けたからな、飯奢ってやるよ。」
「そういえば腹減りましたね、ありがとうございます。」
響弥に言われて、お腹が空いている事に気付く迅鵺。二人は、よく行く近くのファミリーレストランで食事をとって、その場で別れた。
腕時計で時間を確認すると朝の六時を過ぎていて、迅鵺は少し悩んだ結果、一人言を溢す。
「ちょっと早ぇけど、まあいいか。」
そう言って迅鵺は、自分のマンション近くのコンビニへ向かって足を進めた。
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