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第八章
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数秒の間、迅鵺は目を瞑ったまま固まっていたのだが、一向に唇に触れる感触がしない。
不思議に思った迅鵺はそっと目を開けると、悠叶は迅鵺の肩に顔をくっ付けて、スースーと寝息を立てていた。
迅鵺は、自意識過剰だったのではと思わせられる。
「───っ、俺が馬鹿みたいじゃないっすか。」
けれど、そんな迅鵺の気も知らない悠叶の目は覚めそうもない。
「ああ──・・そうだった、この人酔っ払うと寝るんだった。」
ずっしりと重い悠叶をそのままに、天井やら壁やらに貼られている写真を眺める迅鵺。
「────どんだけ、俺が好きなんすか・・・」
ボソッと、呟くように一人言を溢した迅鵺は、自分で言って、やけに恥ずかしくなってきたようで、悠叶の右腕を気にしながら自分の上から退かす。
「マジ重い・・・」
迅鵺は、悠叶に毛布を掛けるとキッチンへ移動して、ドキドキと騒々しい胸を誤魔化すように、ちゃぶ台の上の物を片付けた。
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