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第十一章
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ビンゴゲームは、大盛り上がりのまま進行していって、ついに最終ゲームに突入するところだ。
「さあ、今夜の目玉!Wiiが景品の最終ゲーム!誰のものになるでしょうかあ~!」
次々と番号が読まれていくが、迅鵺は不調で、なかなか揃いそうもない。
“もう、ダメそうか・・”
迅鵺がそう思った時、隣にいる悠叶が声を上げた。
「お、俺、ビンゴですっ!」
「マジ!?悠叶さんスゲーじゃ───」
だけど、迅鵺の喜びの声を誰かの声が掻き消した。
「俺もビンゴーっ!」
声の主は響弥だった。
響弥は、挑発するような目でニヤリと悠叶を見たのに悠叶は気付き、ついカアッとなってしまい、その場に勢い良く立ち上がる。
「「───うわあっ!」」
けれど、手錠をしていた悠叶と迅鵺は引っ張られる衝撃に声を上げてしまう。
「このまま、一緒に行きますかっ!」
迅鵺は、ホストクラブ特有の悪ふざけで、手錠をしたまま悠叶と前へ出た。
「迅鵺くん、いやらしー!早くもSMグッズを使ってくれたそうですねー、今のお気持ちはどうですか?」
そう言って、代表がマイクを向けたのは悠叶。
悠叶にとっては、予測出来なかったまさかの展開で、顔を赤らめあたふためいている。
「えっ!?あ、えっと、その──・・ど、ドキドキしてます・・」
「マジトーンやめろっ!」
照れながら答える悠叶に、何故か迅鵺まで照れてしまい、空かさず突っ込む迅鵺。
「いやあ~ラブラブですね~」
と、代表も空かさず乗ってくれたお陰で、これ以上恥ずかしい思いをしないで済んだ迅鵺は、ホッと胸を撫で下ろした。
「まさかのビンゴが二人!ここは、平等な勝負と行きましょう!」
Wiiはひとつだけ。
当然の流れだが勝負の内容は、これまたホストクラブに相応しいイッキ勝負。
迅鵺はチラリと悠叶を見るが、悠叶の顔は真っ青。
そんな悠叶を見兼ねて、迅鵺は代表からマイクを奪い取った。
「ちょっといいっすか?この人、うっすーい水割り一杯で酔っちゃうくらい、酒弱いんすよ。響弥さんが相手じゃ勝負になんなくて、つまんないだろ?みんなあ~っ!」
響弥含めお客達を煽るように声を上げる迅鵺。
すると、迅鵺の期待通りの反応が返ってくる。
「いえーいっ!!とーしーやっ!とーしーやっ!・・」
お客達が一丸となって迅鵺コールを始めると、迅鵺がイッキ勝負をする事に代表から許可が下りた。
「うちの響弥くんは強敵ですからねー!迅鵺くんでも勝てるか分かりません!いやあ、マジどっちが勝つか俺も気になる。つーことで、今回は特別に許可しますっ!」
代表の審判に、お客は盛り上がりを見せる。
響弥と迅鵺は向き合い、互いに視線を交わらせた。
二人がシャンパンを注がれたジョッキを手にすると、店内はイッキコールで包まれ、勝負の行く末に胸を踊らせるお客やホスト達で店内の熱気は上昇し続ける。
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