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最終章
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「───んっ・・うぅっ、いってぇ・・・」
呻き声を上げて徐々に瞼を開いていく迅鵺の瞳には、悠叶の顔が映り込んでいく。
悠叶は迅鵺の気配に気付いて迅鵺の顔を覗き込んだ。
「あっ、迅鵺さん気付きました?そのっ・・体は大丈夫ですか?」
悠叶は、ばつの悪そうに言うと迅鵺は機嫌が悪そうに頭を押さえて口を開く。
「────痛ぇよ。体中あちこち痛ぇ。しかも、頭痛もひでぇ・・・」
「すっ、すいませんっ・・俺、セーブ出来なくて・・それに迅鵺さん、お酒もいっぱい飲みましたもんね・・・今、頭痛薬買って来ますね。」
迅鵺の機嫌の悪さに、悠叶はオドオドしながら薬を買いに行こうとベッドの上で上体を起こした。
けれど、そんな悠叶の左腕を掴む迅鵺。
「と、迅鵺さん?どうしたんです?」
悠叶の問い掛けに、そっぽを向きながらポソッと何かを呟く迅鵺に、悠叶は堪らず表情をだらしなく緩めてしまう。
“薬より悠叶さんの腕枕の方がいい”
悠叶は自分が達した時、気を失ってしまった迅鵺に腕枕をして、ベッドの上で眠っていたのだ。
「と、迅鵺さん可愛いですっ!」
「可愛いって言うなっ!そもそも、俺の体をこんなボロボロにしておいて、俺を一人にするなっ!」
顔を真っ赤にして言う迅鵺だが、体へのダメージが相当らしく、痛い痛いと言いながら顔をしかめる迅鵺。
そんな迅鵺を宥めるように腕枕をして、二人一緒に寝転んだ。
「─────なあ・・なんで、あの時泣いてたんすか?」
迅鵺は、自分を抱きながら泣いていたような気がして、気掛かりだった。
そんな迅鵺に悠叶は優しく微笑む。
「───あれは、嬉しかったんです。あんな暴力的に抱く俺を受け入れてくれた事が、あの時無性に嬉しくなって・・それで気付いたら・・」
悠叶は、その時の事を思い出しながらしみじみと言うけれど、自分の左隣から盛大なため息が聞こえてくる。
迅鵺の顔を見ると迅鵺も悠叶を見ていて、悠叶はドキンッと胸を鳴らした。
「あのさ、悠叶さん。まさか毎回泣くとかないっすよね?言っとくけど、俺エッチすんの好きだからいっぱいしますよ。」
まさかの大胆発言に、悠叶は顔を真っ赤にしてしまう。
「と、迅鵺さんって、結構積極的っていうか大胆ですよね・・・」
狼狽えてる悠叶に、迅鵺は面白がってニヤリと不適な笑みを浮かべると、悠叶の腹の上に跨がった。
「この悠叶さんの傷(あと)見て下さいよ。」
迅鵺は、傷だらけの自分の体を悠叶に見せ付けるように、胸にある噛み跡を自分の指で撫でて見せる。
「こんな事されても、俺は悠叶さんを求めますよ。だって好きだからエッチしてぇし。これが悠叶さんの性癖だったら受け入れるしかないっしょ?それに、痛いのも苦しいのにも俺って案外強いかもよ?」
そう言った迅鵺に対し、悠叶は驚いて目を見開いていた。
「────迅鵺さん・・そんなこと言われたら俺、また興奮しちゃいます・・・」
呆然と言う悠叶に、ギクリと顔をひきつらせた迅鵺は、慌てて悠叶の上から退く。
「さっ、流石に今は無理っすよ!?マジ体ボロボロなんすからっ・・」
自分から離れていく迅鵺の手首を掴んだ悠叶は、グイッと自分の方へと抱き寄せ、左腕でしっかりと迅鵺を納めると迅鵺の目を見詰めて、そのまま触れるだけのキスした。
「今はしませんよ。安心して下さい。でも、迅鵺さん痛いの好きなんじゃないですか?」
クスリと笑いながら言う悠叶に赤面した迅鵺は、必死に否定するけれど、悠叶はずっとニコニコしていた。
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