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最終章
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約一ヶ月後、無事TOP SECRETの姉妹店がオープンして、響弥がTOPSECRETの代表となり、迅鵺は主任となった。
TOP SECRETの入り口を飾る在籍ホストのパネルの写真は、新しい物に入れ替わっている。
そう、迅鵺が提案したものは、店のパネルにする写真の正式な撮影依頼だった。
撮影の時、悠叶と響弥が揉めた事は言うまでもない。
また、迅鵺と悠叶にはある目標があった。
「迅鵺さんっ!俺、前に出したコンクールの写真、大賞取りました!」
「マ、マジで!?すげーっ!!」
昨晩の営業終わり、悠叶の部屋で眠った迅鵺は、昼前に目を覚ますとキッチンで歯を磨いていた。
そんな迅鵺の所に、慌ただしくスマホを手にした悠叶が、迅鵺と出会うより前に応募していたフォトコンテストの結果を報告した。
「これで20万くらいは貯金出来ると思います!迅鵺さんからしたら、少ない金額ですけど・・・」
二人は、一緒に住むマンションを買う為にお金を貯めていた。
悠叶は、迅鵺のマンションでいいと言ったのだが・・・
『悠叶さんと住むなら風呂も寝室ももっと拘りたい!』
という迅鵺の意見に、新しいマンションにすることに決めた。
迅鵺がマンションを買うと言ったのだが・・・
『それはダメです!俺にも出させてください!』
今度は、悠叶が納得いかないようで、 二人で協力して得たマンションに住むのも悪くないと二人とも納得し、時にはゆっくりしながらも、着々と目標の為に頑張っていた。
「悠叶さんの想いが詰まった一枚が認められたんだ。そんなこと言う訳ないっしょ?むしろ、すげーって!俺、悠叶さんの写真好きっすよ。」
「ありがとうございます。俺は、こっちの写真も迅鵺さんに認めて欲しいんですけどね。」
そう言って取り出したのは、数冊のアルバム。
「ああっ!いつの間にこんなん撮ってんてすか!」
アルバムの中身は、どれもこれも迅鵺の写真ばかり。
寝ている写真や、ご飯を食べている写真、迅鵺の日常が丸わかりと言ってもいい程の数々の写真達。
中にはエッチの後、気を失っている火照った表情の迅鵺や、ドロドロに汚れた体の写真。
迅鵺の知らない、厭らしい写真も沢山ある。
迅鵺は、そんなアルバムを眺めながら、ワナワナと体を震わせると、悠叶を叱り始めた。
「もおっ!やっぱあんた、ストーカー気質あり!殆んど隠し撮りじゃねぇかっ!!」
顔を真っ赤にして怒鳴る迅鵺に、ヘラっと力のない表情で謝る悠叶だが、反省はしていない。
「迅鵺さんが、エロくて可愛くて綺麗でカッコいいのが悪いんです!俺、カメラマンで良かった。」
そう言いながらアルバムを元あった場所へ片付けると、後ろから迅鵺をギュッと抱き締めた。
「そんなに怒らないで下さい。これも俺の愛情ってことで許して下さいよ。」
迅鵺の唇に軽いキスをすると“今日も大好きです”と言う悠叶に、怒っていた迅鵺も大人しくなる。
「あ、あんまり撮るなよっ・・」
「─────はいっ」
そして二人は、もう一度キスをするとベッドへ入っていった。
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