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居間から聞こえてきた喘ぎ声。
炎はまたか、と思うのと恥ずかしくなったのとで溜め息を吐いた。
「炎。どうしたんです」
「いや、また主人と叶弥様の声が……」
「毎日お盛んですよねえ」
全く気にする素振りもなく、氷は手元の家事に集中している。
今は夕飯の仕込みの最中だ。
「氷は気になんないの?」
「ええ、全く。気になるとすれば叶弥様のお身体が壊れないか心配なことくらいです」
「あー……激しそうだからねえ、主人」
こうも喘ぎ声が聞こえてくると、さすがに気になってしまうのが本音だ。
恐らく、蒼は気付いているが叶弥は聞こえていることに気付いていない。
「自室や浴室だと聞こえてこないのに、居間だと丸聞こえですよね」
「まあ主人の部屋は2階の1番奥だし、叶弥様の部屋もその隣で全部の部屋から離れてるもんね」
「お2人の部屋の下は浴室と物置ですからね。私達の部屋や他の場所からは遠いですし」
ピタリと包丁を使う手を止めて、氷は炎を見た。
炎は少し顔を赤らめて、気まずそうな顔をしている。
「欲情でもしましたか」
「ち、ちがっ……」
「叶弥様の喘ぎ声で欲情ですか……」
ふふっと笑いながら氷は炎の顔を覗きこんだ。
目は笑っていない。
「そうじゃないって!」
「じゃあ、何ですか?」
「きょ、叶弥様の喘ぎ声聞いてたら、その……氷にされること思い出して……」
そこまで言うと顔を背けた。
その耳は真っ赤で、相当恥ずかしがっていることが見てとれた。
「そうですねえ……夕食まではまだ時間がありますし、私達も楽しみましょうか」
「ちょ……そんなことしたら聞こえ……」
「だから、聞こえないところに行くんですよ」
氷は炎の腕を掴んで、奥の部屋に進んでいった。
食堂より奥に進むと3部屋ほど客室のような部屋が並んでいて、最奥の部屋に炎を押し込んだ。
「大きな声さえ出さなければ、ここからなら聞こえませんよ」
ね?と人差し指を口許に当てて氷はにこりと笑う。
炎は後退りしたが、その先にあるのはベッドだ。
足がぶつかり、後ろによろけて倒れこんでしまって逃げ場を失った。
ドサッと音を立てて、氷は炎に覆い被さって、片腕で炎の腕を纏め上げて押さえつけた。
更に片足を炎の足の間にねじ込むことを忘れない。
炎の耳に歯を立てて、何度も甘噛みをする。
その度にぞくっとしたものが炎に走り、炎は小さく声を出しながら小刻みに身体を震わせた。
それだけではなく、わざと音を立てて耳を舐める。
「うぁ……耳……やだぁ……」
「そんな可愛い声で嫌だなんて言われたら止められません」
「ひゃっ……」
音と耳から全身に走る感覚で、甘い痺れが炎の下半身を襲った。
「まだ耳ですよ?こんなに張り詰めさせて……」
「もう離せよ……!」
ジタバタと暴れるものの、氷の方が何故か腕力が強く一向に逃げられない。
「叶弥様の喘ぎ声に発情した罰です」
「だからしてな……」
「理由は何であれ、叶弥様の声がきっかけなら同じ事ですよ」
ズボンのベルトだけ緩めて、手を差し込んだ。
下着の上から爪で先端を擦ると、炎は身体を先程よりも震わせて、腰が跳ねる。
「んんっ……」
「息が荒くなってますよ?」
「氷がそれするから……っ!」
「それ、とは?」
ただカリカリと先端を擦られているだけで、先端には液が滲んできた。
それはしっとりと湿る程に溢れているようだ。
「先走り液だけでこんなに湿るんですねえ」
「やっ……ばかぁ……!もっ……やだ……」
「嫌?こんなに感じているのに?」
氷は手を今度は下着の中に滑り込ませ、先端から溢れたそのぬるぬるとした液体を先端に塗り付けて、ぐりぐりとこねくりまわす。
それだけで先端がジンジンして、ビリビリとしたものが全身を駆け巡った。
「それは……やだって……んううっ」
「嫌ですか……貴方が1番好きなことでしょう」
「ひゃあ……っ!」
「ほらほら、大きな声を出したら気付かれますよ」
そんなことを言いながら、先端をぐりぐりとこねくりまわしたり、液体でぬるぬるする先端を上下に擦る。
くちゅくちゅと卑猥な音が響いた。
「んっ……ふぅっ……んぅ……っ」
下唇を噛み締めながら声を殺そうとしているが、甘い声と吐息が漏れている。
声を殺しきれていない炎に、氷は小さく笑みを溢した。
今、そんな表情をさせているのは自分であることに、言い様のない満足感があったからだ。
「ひょ……お……もぉ離し……っ」
「出したいんですか?」
「ん……んぅ……出る……っ」
「駄目です」
寸での所で氷は手を離した。
炎は切なそうな目で氷を見る。
じんじんとしていて、絶頂はすぐそこにあるのに。
手を押さえられているから自分でどうすることもできない。
「なん……でぇ……っ」
「言ったでしょう。罰です」
にっこりと冷ややかな笑顔を向けて、氷はまた炎の熱く張り詰めているものを擦り上げては寸止めするということを何度も繰り返した。
その度に、炎は切なそうな声を上げ、涙を流しながら氷を見る。
早くどうにかしたいのにどうにもならない切なさと、この微妙な感覚によって頭がどうにかなりそうな、そんな2つの感情に押し潰されそうになっていた。
早く、氷にどうにかしてほしい。氷によって吐き出させてほしい。
「そうですねえ……そんなに出したいなら、そのいやらしい顔で主人か叶弥様を誘惑してお願いしてみたらどうです?」
「そんなの……やだぁ……」
蒼と叶弥がお互いでなくては駄目なように。
炎には氷でなくては駄目なのだ。
氷によって得られる快楽で、氷によって吐き出させられることで、初めて炎にとっては意味を成す。
その他なんて、例え主人である蒼であっても嫌悪でしかない。
「氷じゃなきゃ……やだよぉ……氷にしてほしいんだよぉ……」
しゃくり上げながら涙を溢して懇願する。
こんなに意地悪いことをされても尚、炎は氷しか求めないし、氷だけを求めていたい。
「ふふ、冗談ですよ。少し意地悪しすぎましたね。すみません」
炎の頬に軽くキスをして、涙を舐めとった。
「氷早く……おかしくなりそ……」
「そうですね、炎はどうしたいですか」
「氷にしてもらえるなら何でもいい……っ」
氷は少し考えた後、炎のズボンと下着をずらした。
ぶるんっと勢いよく飛び出てきたものを、口に咥えて丁寧に舐め上げる。
「あっ……くぅ……ぁ……」
氷は愛おしそうに手を添えて、咥えたり舌でなぞったりして刺激する。
そんな氷を見ているだけで炎は背中にゾクゾクとしたものが走る。
氷にもしたい。氷に入れてほしいとも思うし、氷に入れたいとも思う。
「ひょ……氷と……イキたい……おねが……」
「あまり長く姿を消していると怪しまれますからねえ……」
ぎゅっと氷の服の裾を掴んで炎は氷の目を見つめた。
「ワガママを言わないでください」
「やだ……氷と一緒がいい……」
「分かりました。けど、ちゃんとするのは夜まで我慢してくださいね?」
氷はカチャカチャとベルトを外して自身のモノを取り出して、炎のモノにぴったりとくっつける。
その熱さに炎はびくりと震わせた。
氷は自分のモノと炎のモノを一緒に擦り上げる。
炎はそれに合わせて自分のモノを氷のモノに擦り付けながら腰を動かした。
初めて触れ合った日、初めてしたこの行為。
これは未だに2人にとって大事なものになっていて、色々覚えた今でも定期的に行っていた。
「んっ……あっ……氷……もう……」
「いいですよ炎……っ……私も限界です……」
擦り上げる速度を上げ、2人はほぼ同時に果てた。
出された白濁液は手で受けて、部屋に備えてあったタオルで拭う。
「氷のバァカ」
氷の胸に顔を埋めて小さく炎は呟いた。
「それはどういう意味です?」
「急に襲うのもそうだし……俺は氷以外嫌なのに主人達にしてもらえとか……」
「すみませんでした。少しだけ妬いてしまったので意地悪をしたくなったんですよ」
「次言ったら俺、氷がそんなこと言えなくなるまで犯すから」
「はいはい、分かりました。さあ、仕事に戻りましょうか」
部屋から出て、ちょうどキッチンに入ろうとしたところで蒼とぐったりした叶弥が浴室から戻ってきた。
「叶弥様、大丈夫ですか?」
「主人、また激しくしましたね!」
「……聞き耳立てて発情したお前達に言われたくはないが」
「ならば聞こえぬようにお願い致しますね」
氷はそう言って炎とキッチンへと姿を消した。
その背中を見送っていた叶弥がじーっと2人の消えていったドアを見つめて、蒼に尋ねた。
「ねえ、2人はいつから蒼の側にいて、いつからあの関係なの?」
「そうだな……居間でそれは話してやろう」
それだけ言うと蒼は来い、と手招きをして叶弥と居間へと入っていった。
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