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誕生日4
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「亜樹!!」
駆け寄った先には、みるに堪えない姿の亜樹がいた。
赤くじわじわと染まる地面。
「亜樹?亜樹?しっかりしろ?」
「……ご…めん。誕…生日なのに…」
「誕生日なんてどうでもいいよ。もう話さなくていいから……」
涙がポロポロと自然に落ちる。
手が振り解かれ亜樹が俺の涙をすくい、耳に手をかけた。
「泣かない…で…。やっぱりその…ピアス…似合うね…」
だんだんと意識が遠のいていくのがわかる。
力や言葉がさっきより弱くなった気がした。
「亜樹!やだ!死なないで…まだいけるよね?また一緒に遊ぼうよ、やだよ」
亜樹は笑ってこっちを見た。
「こんな…状況だ…けど、…おめ…でとう…、馨…ありが…と…好き…だよ」
握っていた手が力なく、するりとこぼれ落ちた。
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