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Day of The Reconciliation
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それからはお互い無言で、教室には矢神の嗚咽だけが響いた状態がしばらく続いた。
俺は矢神が泣き止むまで、頭を撫で続けた。
「…っ…、ん”……ごめ、ん…。」
目をこすりながら、矢神が顔を上げた。
「ぁーぁー、こすんなよ。ひでぇ顔だな。イケメンが台無しだぜ?」
頭をかき乱す様に撫でると、小さく笑った。元気は出たみたいだ。
「授業サボっちまったなー、あっ」
「…?どうか…した?」
晴翔と道生の昼飯を買ったことを忘れてた。後で叱られることになった俺は、ため息をついて、頼まれたパンを一つ取り出し矢神に渡した。
「なんでもねー。俺、泣くと腹減るんだよね、食えよ。」
あと眠くなるな、そうつけたして自分のパンの袋を開けた。押し付け持論だけど、コイツもどうせ昼飯食ってないだろうからいいだろう。
「あり、がと」
そういって矢神も袋を開いた。やっぱ腹減るよな。
またもや無言の時が訪れたが、今度は苦痛じゃなかった。お互いが食べ終わると、俺は立ち上がって背伸びをする。
そんな姿をみた矢神が一言、
「神城、くん、……って、やさし、」
思わず吹いたのは言うまでもない。
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