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69 《一時》
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《一時》
「まぁ、ともかくは良かったな、晴。」
「はい、先輩。」
なんだかんだ言っても、近藤は頼りになる。
うんうん、と一人納得していたが晴が何やら喚いてる。
見ると、近藤がズグを覗き込んでた。
ズグは真っ直ぐな目で近藤を見てる。
どうやら晴との関係で、俺たち2人は晴の仲間として認めて貰ったようだ。
「○○++€€?」
え?
少なくとも日本語じゃない言葉でズグに話し掛けてる?
「近藤?」
ズグは小首を傾げる。
「ダメか。
じゃあ ××・・*○○?」
近藤はブツブツ言って、また違う言葉で話し掛けた。
その途端ズグがパァ…と笑顔になって、興奮してコクコク頷いた。
「◇○€€€?」
力強く頷いたと同時に、晴に抱き付いた!
「……やっぱりね。」
近藤はニヤついてる。
「え?どういう事?あ、ズグ!?」
そのままの笑顔でズグが晴にまとわり付く。
「どういう事だ、近藤?」
俺が問いただす。
「ズグはロシア語がわかる、っていう事ですよ。」
「は?」
「おそらく母親がロシア人。
ズグは無戸籍だから当然パスポートも取れないし。
従って、ズグは日本生まれ。」
「ロシア……」
「……数年前コレもんの幹部が外人の女を囲ってる、
女だけじゃない、その誰が孕ませたのかわからない子供もいて2人は軟禁状態に近い環境で暮らしてる……っていう噂を聞きまして。」
「……その子供かズグ?」
「あくまで予測ですよ。
でも可能性としては高い。
その子供は変わった色の髪で、口を利くのを聞いた事がない、と。」
「ズグだ!それ!」
晴が叫ぶ。
「女が亡くなるか何かして、その子供はコーチクに半ば強引に引き取らせたんでしょうね。
まぁ本当の所はズグが喋らない事には分かりませんけど。」
晴に引っ付いてキョトンとしてるズグ。
那月と同じだ。
やり切れない。
大人たちの間で何があったのかわからないけれど、子供はいつも振り回される。
「そう言えば……
ズグにロシア語でなんて言ったんだ?」
大学の第二言語は中国語だったから、ロシア語は論外だ。
「あぁ…晴の事。
連れて来てくれた人は優しい?って。」
コクコク頷いていたのはそれか。
ニヤニヤして近藤が晴に向かって
「その後、その人好きか?って。
良かったな、晴。
ズグもおまえの事好きだ、ってさ?」
ボッ…と晴が赤くなった。
まぁ、俺たちから見たら、ズグが晴を好きなのは明白
だが、ズグは何言われてるのかわからないようでニコニコ笑ってる。
「相思相愛、良かったなー。」
近藤が茶化す。
「近藤ーー!!
ズグー、そうなのか?ほんとに??」
晴が必死て聞いてる。
その光景をニヤニヤ笑って見てる近藤。
ま、晴と近藤は良いコンビ、だな、うん。
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