アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
二章 3
-
頬を赤らめ、少し潤んだ瞳でミハイルは天使を見下ろす。
「そろそろ、挿れようかな」
「やめてくださいっ」
「まだそんなこと言うの?」
「嫌です! あなたなんかと……!」
「黙って。先に俺が入れられる側になってあげただけいいと思ってよね」
「こんな意味のないことをしてどうするっていうんですか!!」
「うるさい」
パンっ、とミハイルの掌がニコライの顔の左側面を打った。
ニコライの目の前が一瞬白くなった。音は大きくなかったし、腫れもしなかった割に受ける痛みと衝撃だけは大きい打撃。
彼が驚いている間に、ミハイルは彼の指を引き抜いて性器の先端を自分の後ろの孔にあてがう。
「ううっ……」
「っく、悪魔……」
自分の先端が目の前の男の体内に入っていく感覚に、ニコライは呻いた。
ミハイルも流石に苦しいのか、深く呼吸しながら自分の中に性器を挿入していく。
「ん、あ……おっきい……」
「いや、やめてくださいっ」
自分の性器が悪魔の中に入っていってしまうことに恐怖を感じるニコライ。陰茎が相手の躰に包み込まれる。この悪魔の呼吸も、鼓動も、体温も感じてしまう。自分の最大の敵が生きていることを感じてしまう。そして自分の中の欲望に、気がついてしまう。
ミハイルが、ニコライの上に完全に腰を下ろした。
「入った……。繋がったよ、コーリャ」
甘いテノールの声が、そう言った。その顔は少し苦しげながらに嬉しそうだ。
ニコライはもう何も考えられなかった。目の前の現実を受け入れたくない。悪魔と繋がってしまっている、現実。
ミハイルは再び腰を上げていく。
「動くよ」
その言葉と同時に彼は腰の上げ下げを始めた。ニコライの先端が何度も彼の奥を突く。男の体に扱かれる初めての強い快感に、ニコライは戸惑う。
「あっ……やめ、イく……」
「え? だめ、まだイかないで」
「無理ですっ」
ミハイルが奥まで挿れた瞬間、ニコライは凄まじい快感と共に目の前が白くなるのを感じた。全身に衝撃が駆け巡る。一瞬遅れて自分がオーガズムに達してしまったのだと理解した。
中に精液が出された感覚に、ミハイルは少し顔を顰める。
「イッちゃったの? 早いよコーリャ」
「そんなこと、言われましても」
ニコライは真っ赤な顔をして、涙目になっていた。息も上がっている。
少し不機嫌そうな顔をしていたミハイルだが、彼の表情を見て再び笑顔になった。
「まぁ初めてだしね。許してあげる」
そう言いながらミハイルは自分の中から相手の性器を出した。
「じゃあ、しゃぶってよ」
「えっ……?」
「見えるでしょ、コレ」
ミハイルは勃起した自分の陰茎をニコライの眼前に近づける。血管の浮いたそれの桃色の先端からは透明な液体が流れ出ている。
「フェラして。うまくできなくてもいいから」
「嫌ですっ!」
叫んだニコライが腕を顔の前でクロスさせると、目を細めるミハイル。
「もう動けるようになっちゃったの?」
彼の言葉に、ニコライ自身も驚く。反射的に腕を動かしていたので気がつかなかった。
彼が更に動こうとする前に、悪魔は彼の両腕を片手でまとめて掴んだ。
魔力で強化されたその力では、鍛えられたニコライでも抵抗できない。下手に動いけば骨を折るだけだ。
「暴れるなら拘束してあげなきゃね」
悪魔はそう言ってベッドサイドにある小さな引き出しを開けた。
ニコライにはそこになにがあるのか見ようとしても見えない。目の前の男が何をしているのか全く分からないままに、頭の上で彼に固定された両手に何か金属製のものが付けられた。
手錠を付けられた、とニコライは直ぐに理解した。それはベッドの上部の木でできた柵に括られて付けられている。
太い木ではないので折れないかと力を込めて引っ張るが、予想以上にそれは頑丈だ。
「くっ……」
「魔力で強化してあるから壊せないよ。さあ、フェラしてよ」
「誰がそんなことしますか」
ニコライが近づけられたミハイルの性器から顔を背ける。
すると悪魔は彼の銀髪を鷲掴みにし、無理矢理顔を自分の方に向けさせた。
「言うこと聞かないなら、君を助けに他の天使がここに来た時に後悔することになるよ?」
「……! どういう、意味ですか」
「君と連絡が取れなくなれば、どうせ救援部隊が来るんだろ。そいつらが皆殺しになるか、その前に俺が君を解放するかは、今の君の態度次第ってことさ」
「私を殺さずに解放する気があると?」
「君の態度次第だってば。……そうだね、君を殺すっていう選択肢も無くはないよ。コーリャ?」
「……生きることなど望んではいません」
悪魔に完全に敗北し、性交までさせられてしまって、最早ニコライに生きて天界に帰ろうとなど思えない。しかし天使であるが故に自殺はできない。いっそ目の前の悪魔に殺されたいとすら思える。
やや不機嫌そうな顔になるミハイル。
「まあ、君を殺す気はないよ。仲間が大量に殺されたくなければ俺に服従することだね」
「救援部隊全員に、あなたが勝てると?」
「俺が勝てないと思うの?」
「…………っ」
「口開けて」
自分は傷つけられても構わないが、仲間を殺されたくない。天界軍の一般兵が百人いたとしても、おそらくこの最強の悪魔には勝てないだろう。ニコライにはよくわかった。
彼にミハイルを拒むことは最早できなくなった。逡巡した後、彼は恐る恐る口を開ける。
ミハイルの性器が彼の口内に入ってきた。独特の臭いに顔を顰めるニコライを見下ろし、愉しげな顔をする彼。
「歯は立てないように、少し吸って」
ニコライが言われた通りにすると、ミハイルは腰を動かした。陰茎の先端で喉を突かれた彼は、苦しそうな顔をする。
「んっ、ぐぅ……う!」
「ああ、イイよ……コーリャ」
嗤うミハイルを泣きそうな目で見つめるニコライ。呼吸がとてもしにくい。飲み込むことができなかった唾を、口の端から垂れ流すしかない。
卑猥な水音が部屋に響く。
天使である自分が悪魔に脱がされ、愛撫され、その体内で射精させられ、口淫までさせられている。ニコライにとっては耐え難い屈辱だ。
「ううっ……ん」
「はぁ、コーリャ……イクよ」
「んんっ?!」
射精する寸前に、ミハイルは自分の性器をニコライの口から出す。先端から出た精液はニコライの顔にかけられた。
「やっ……」
彼の端麗な顔に、髪に、白濁した精液が飛び散った。手が拘束されていてはそのドロドロとした液体を拭うことすらできたない。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
8 / 70