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八章 2
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唇が離れると、そのままニコライをベッドに押し倒すミハイル。部屋が暗くてよく見えないが、目の前の天使が顔を赤くしていることは容易に想像できた。
「今日は積極的じゃない、コーリャ。まだ足りなかった?」
「……不安で堪らない。あなたと繋がっていないと」
「俺はどこにも行かないよ」
そう言ってミハイルはニコライの左手を取り、その指先に舌を這わせた。
「ミーシャ?」
「俺を抱いて、コーリャ。君に挿れて欲しいんだ」
唾液で濡れた指を自分の後ろの孔に近づけるミハイルに、ニコライは戸惑う。彼に挿れたことは過去にもあったような気がするが、不思議と記憶が呆けていて、初めてであるような気もする。
「い、いいのですか?」
「うん。指、挿れて」
ニコライは彼に言われるがままに人差し指と中指を彼の孔の中に突き立てた。彼は僅かに眉を潜める。
「……っ、うう」
「痛いですか? 大丈夫ですか?」
開口部の強い締め付け。ニコライはミハイルの中を傷つけてしまわないかとても心配になる。
「あなたを傷つけたくない」
「大丈夫、だよ。……俺、後ろは開発されたんだ。昔だけれど」
ミハイルがそう言い、ニコライは僅かに驚きを感じた。彼が自分を誰かに開発させたのか。それとも不本意にされたのか。どちらにしても、一体誰に。
指を根元まで入れ、そっと彼の腹部側に動かして探ってみると、予想通り彼はある一点で大きく反応した。
「あ、ああっ!」
「ここですか?」
「んあっ、イイっ……そこ、もっと!」
ミハイルは頬を赤らめ、ニコライの指に与えられる刺激にとても素直に反応した。徐々に性器は勃起していく。
その彼の快感に従順な姿に既視感を覚えるニコライ。やはり自分は覚えていないだけで、彼に挿入したことがあるのかも知れない。
ニコライは左手でミハイルの前立腺を刺激しながら右手で彼の乳首に触れた。自分のそれより大きくて色の濃い乳輪をくるりとなぞり、指先で突起を摘んでやると、彼は甘い声を上げる。彼の躰はどこでも感度が良い。
「ああっ! コーリャ……気持ちいいよぉ」
「敏感ですね、ミーシャは」
「そう、なの……あんっ!」
「あ、ミーシャっ」
ミハイルがニコライの乳首に口を付けた。ミハイルの固くなった陰茎が彼の腹に当たる。
ニコライの乳首は赤い舌に舐められ、小さく音を立てて吸われる。すると突起は固くなっていく。彼が性器以外で感じる場所はほとんどここしかない。
「……んっ」
「っあ……コーリャはなかなか勃たないから、大変だ」
「すみません」
「俺、もう君が中に欲しくて堪らない」
ミハイルは後ろの口に既にニコライの指を三本も咥えている。勃起した陰茎は先端から尿道球腺液まで溢れさせ、美しい若菜色の双眸はニコライを物欲しそうに見ている。
その彼の淫らな姿に、溜息を零すニコライ。
「淫乱なんですね、あなたは」
「そうだよ。淫乱な俺を満足させて?」
そう言ってミハイルは中からニコライの指を抜き、彼の少し固くなり始めた陰茎を舌で舐めあげ、口に入れた。
ニコライは何度もミハイルにフェラチオされたことがある。欲望が希薄で性的興奮を感じにくい彼に、気の早いミハイルはすぐにその陰茎を咥えるのだ。
とてもフェラチオが上手い彼。早く自分の中に挿れたくて仕方ないのか、今日はいつもより激しく頭を動かす。
「んっ、ミーシャ……激しい」
卑猥な水音を立て、ミハイルの口の端からは唾液が垂れている。
若しや彼の躰を開発したのとフェラチオを教えた誰かは同じ人なのだろうか。ニコライはそう思った。彼に女の顔を作ったのは誰なのか、彼の過去を全く知らないニコライには検討も付かない。
ニコライが完全に勃起し、唾液と尿道球腺液で濡れた大きな陰茎がミハイルの口から出された。
「もう、挿れていいよね? コーリャ」
「ええ、コンドームを」
ミハイルがベッドサイドの引き出しからコンドームを出し、ニコライに渡した。しかしニコライはそれをつけようとして眉を顰めた。
「これしかありませんか?」
「ん? 入らない?」
「……はい。破れました」
ミハイルが普段使っているコンドームはニコライには小さかった。それを見てミハイルは苦笑する。
「じゃあいいよ。そのままで」
「えっ、それは」
「いいの。早く欲しいよ、コーリャ」
そう言ってミハイルはニコライの上に腰を下ろそうとしてくる。ニコライは彼の背中に片腕を回し、彼と体勢を逆転させた。
ベッドの上に降ろされたミハイルは、相手の予想外の行動に驚いた顔をする。
「コーリャ?」
「脚、上げてください。挿れますよ」
「うん……」
膝を曲げ、脚を左右に大きく開いたミハイル。刹那、倒錯的な感覚に陥った。目の前のニコライの鍛えられた躰と凛々しい目元、大きく勃起した陰茎を見上げると、自分が女であるような錯覚さえ起こす。正に今、自分はこの男の女にされるのだ。
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