アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
1日目、中学生でびゅー。
-
腐女子がいるのなら、腐男子だっているはずだ。
そう。隠れているだけで一人や二人は絶対に。
「魁輝、ちょっと上までパシられてみないか」
「嫌だ」
「そうか喜んでかありがとう。じゃあオレは用事あるから」
「待って俺そんなこと言ってな......ってもういない!!!!」
ため息をつきながら扉から机に目を戻すと、そこには女の子らしい可愛い字で''れいか''と書かれた教科書がおいてあった。
......、返してこいってか?何様だまったく。
いままで読んでいた本(もちろんBL)にしおりを挟んでから閉じて、もう一度ため息をつく。
あの暴君は''ももちゃん''こと蛤谷桃雅。
言ってしまえばヤンキーや不良といった人種で、可愛い動物や可愛い子、甘いものには目が無い究極の天然女たらし。家に行けば必ず女がいるとかなにかの後でーすって感じぷんぷんだったりだとかそんな感じの勢いだ。まぁそこまではさすがにないけど。そして可愛い物好きなくせして自分自身はかっこいい系しか身に付けないから面白い。
ついでに言うと、女友達に付き合ってザ、女の子な店に行ったとき、ものの3分で気持ち悪くなり店を出ていったのはいい思い出だ。
まぁ根は真面目で楽しいやつだし、女たらしと言ってもももちゃんが可愛い物好きなだけってことはみんなわかってるから嫌われることはない。
そのおかげで勘違いした子がどれだけふられたことか......。
「魁輝またパシラれてんの?オレにもパシられろよー」
こうやってももちゃんに便乗してきたりするやつは何人もいる。
俺が元、空気でモブでいじめられっ子に最適だからって言ってパシリに使おうとする。
……調子乗りやがって。
「……、バカじゃないの?」
ただの臆病なナリヤンめ。
「…あ゛ぁ?」
「え?…あ、ご、ごめんなさいっ!!」
うおおおおおバカじゃないのって声に出てたああああああっ!!!!
はいそうですよ、俺はナリヤン以下のチキンですとも当たり前でしょ怖いわ、くそう。
あ……、走って目的地来ちゃったじゃん......
とりあえず全力で階段を上ったせいであがった息を整えながら目の前の教室を見る。
藤之木玲華。ももちゃんと幼馴染みで凸凹コンビや親子などと呼ばれるほどももちゃんと仲が良い背の小さい小柄な明るい女の子。よくももちゃんの付き添いで藤之木さんのクラスに行ったりしてたからクラスも知ってる。
俺は少し(というかかなり)オドオドとしながら、藤之木さんと同じクラスの人に藤之木さんを呼んでもらう。
それから間もなく、その小柄な子が顔をのぞかせた。
「あ、これ......ももちゃんが......」
「魁輝くんだよね、ありがとう!ももちゃん今日も呼ばれてるんだって。モテモテだよねぇ」
教科書を差し出してゴニョゴニョと言う俺に、にっこりと笑顔で受け取ってから話しかけてきた。
明るくて、話を途切れさせないように気を使ういい子だなぁと思う。
でも、思うだけ。
若干コミュ障なオレにとって会話が伸びるのはあまり嬉しくない。だがまぁそんなこと言えないからしょうがない。
そこから少し藤之木さんと話していると、いきなり肩を掴まれた、叫びたい。
「っうおぉぅあ!?」
叫んだ。
中学生でびゅー。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 22