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「……っ、……ん、」
次から次へと花火はあがる。何度も唇は重なる。おれには微塵も同性に興奮する趣味はないし、こいつといても将来性も安心感もない。それなのになんで、今、嫌じゃないんだろう。あげたいって気持ちを、貰えること自体が嬉しい。こいつがそこまで他人を思えるような生き物と思ってなかった。子供の成長が嬉しかった昔を思い出す。ときめくってべつに恋愛だけのものじゃなかった。そんなの、おれはずっと知ってたはずなのに。東は妹へ宛てた手紙に、何を書こうか悩むことじたいも嬉しそうだった。
ずっと仕事を続けてきたなかで、忘れていたものを思い出しかける。でも思い出したくない。感情なんて、あるだけ邪魔だ。
一番にしてほしいっていうこいつの感情が、ただの支配欲じゃないことを、おれに触れてくる手の丁寧さでよくわかる。なんなんだよ、もう。好きなら好きってまず言えよ。わかんねえよ。もしかしたら本人もわかってないのか?
「……ときめいた?」
終わってからもシャーロットは離してくれなくて、こっちを見てくるからおれは目も合わせられない。
「…………………それなりに」
「じゃあ忘れちゃうんだ」
残念そうに呟いて、おれを抱きしめる。アホかよ。こんなの、忘れらんないだろ。
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