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ガタガタガタ
物音で目が覚めると辺りは明るくなっていた
「…」
痛い…
身体が重い
重力が倍になったみたい
関節がぎしぎし鳴っているような気がする
それでも行かなきゃ
高校が始まる
そして今日が初登校の日
あの人がやっとの思いで入れてくれたみたいだから行かないと…
「い゛っ……!」
立ち上がろうとしたとき昨日蹴られたところが痛んだ
あまりの痛さに力が抜けて地面に倒れ込んでしまった
部屋にかけてある時計は7:30を指す
時間がない
「早く…しないとっ…!!」
新品の制服を着て何も入っていないバックを持って家を出ようとした
「あぅ//……んんっ…」
身体が動かない
玄関に1番近い部屋から女の喘ぎ声が聞こえた
…嘘で、しょ…
嫌いな声
聞きたくない声
嫌だ…
思い出したくない光景が頭に浮かび上がってくる
「…やぁっ//…」
冷や汗が止まらない
思考を止めたいのにそれが映画のスクリーンのようにとめどなく流れて
「あっ//…んっ……!!」
冷静にならないといけないのに
音を出したら邪魔をしてしまう
あの人が怒ったら家から出られなくなっちゃう
頭ではわかっているのに止められない思考が僕の身体を固まらせる
怒られる…
嫌だ 嫌だ 嫌だ!
早く行かなきゃ…!!!!!!
既に強張っている身体に更に力を入れて脚を動かした
「ピリリリリリ!!!!!」
耳を貫くその音が2人の声を消した
「っ…けぃ、たい鳴ってるよ、//」
「…うるせぇ!」
「あぁん//」
ゆっくり確実に目的地に脚を運ぶ
止まりそうにない震えを堪えて
綺麗な靴を履いて家を飛び出した
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