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「ハッ!!」
目が覚めた頃にはもう昼だった
昼は何も持ってこなかった
誰かに色々言われるのも嫌で旧校舎をふらふらした
妙なくらい晴れ晴れとした空が陰を濃くする
午後の授業が終わり放課後は体育祭の全体練習があるらしい
だが体調が芳しくなかったので体育館の隅で見学することにした
帰る気にもなれなかったのでちょうど良かったのかもしれない
体育館に沢山の声が混じり合う
途中からモンモンとした熱気が漂い始めて
力のこもった掛け声が床を振動させる
そして次第に音が遠退いていく
…あぁまずい、ここで寝るの、は…
人間は摂取するエネルギーがないと寝て体力を温存するのだろうか
言い訳ではないが襲いかかってくるものに僕は抗えなかった
ガタッ
心臓が跳ねた
起きろ 起きろ
あの人がくるぞと訴いかける
寝るな 死ぬぞ!!!!!!!!!!
頭が痛くなる程の訴えに目を覚ますと保健室のベッドに寝ていた
「っ……」
そうだ
まだ帰ってなかったんだ
安心したが心臓はまだ大きい音をたてている
小刻みに震える体を落ち着かせるため深く息を吸った
するとシャッとカーテンが開いた
「あら、もう大丈夫なの?まだ来てすぐだけど」
「あ…の……」
思ったより声が出なかった
「もう少し寝てなさい
練習終わったら起こしてあげるから
それまでここにいないけど大丈夫?」
僕は首を縦に振り
先生はそのまま出ていった
「…」
どうやってここまで来たんだろう
帰り道知らないな…
どーしよ
静まった教室にドアの開く音が響いた
先生なにか忘れ物したのかな
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