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えっちな義弟くんのカラダ共有♡年上二人に溺愛されて夜も眠れません
嵐の前の稲妻
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凛がお風呂から戻ってくると、綾瀬はまだ布団にもぐっていた。航は着替えて、洗面所で手を洗っていた。凛はくしゃみをした。鼻をかんで、ティッシュを丸めて捨てた。ごみ箱の中は何も入っていなかった。
「もー、凛。ごみを捨てるときはお兄ちゃんに声をかけてよ。一応凛の了解を取ってからコレクションするようにしているんだよ?」
「わ、ごめーん! まぁいいや……お兄ちゃん、ただいま。朝からお風呂入っちゃった! 綾瀬さん、まだ寝てるの?」
「うん。昨日ね、お酒飲んだんだけど……二日酔いしちゃったんだって」
凛は、布団で丸まる綾瀬に声をかけた。
「綾瀬さん、大丈夫? 起きられる?」
「……むり」
「ご飯、葵の間に用意してあるみたいだけど、食べるのつらい?」
「…………やめとく」
しんどそうな声だった。凛はしょんぼりしながらも……綾瀬が心配だ。この三人の中でお酒に一番強いのに、珍しい。でもいくら強くても二日酔いになる時はなる。凛はそう考えて、航と一緒に朝食をとった。
地鶏の生みたてたまごや、採れたての野菜を使った、品数豊富な和食。旅行ならではの豪華な朝食をおいしくいただく。
ご飯を済ませて二人で葵の間から部屋に戻った。綾瀬はまだ布団の中に丸まっていた。そうとう身体がつらいんだろうな……凛はぽんぽんと布団を撫でる。綾瀬がごろりと寝返りを打った。どうも寝ているようだ。
起こさないように、ひそひそ声で航と話す。
「……綾瀬さん、つらそうだから二人で遊びに行こうか」
「あとでお土産買ってきてあげよう……行ってくるね、綾瀬」
お財布と小さなバッグやスマホを持って、お手洗いなどをすませて、二人は部屋から出た。
二人は色々な所に遊びに行った。綾瀬の車のキーをあらかじめ借りておいたのでそれで山間から見える景色・棚田や紅葉などの風光明媚な景色を楽しむ。天気も良く、絶好の行楽日和だ。土地の名物料理をお昼ご飯に食べたり、おいしいおやつを食べ歩きして、義兄弟は楽しく過ごした。
一方、綾瀬は布団の中で悶々と考え込んでいた。
凛には絶対ばれたくない。凛とはそういう行為がしたい。でも、凛と身体を重ねたら航とも強制的にしなくてはならない。月・水・金は、綾瀬の日。それが、航と性行為をする日にもなってしまうということ。いつもの凛との行為を思い返す。
『凛ちゃん、好き……』
『えへへ、俺も……んっ!』
綾瀬は優しく壊れないように凛を抱く。たまに三人でやっているとたがが外れてしまう時もあるけれど、二人だけの時はとにかく丁寧に、痛くないようにする。動きも少しだけ加減して、絶対傷つけないようにしている。
ぱちゅ、ぱちゅ、と控えめな水音が響いて、凛の奥深くを満たす。恋人同士のただただ甘くて、気持ちよくて、幸せな行為。それを思い出すだけで、綾瀬の良心は苛まれる。
脅されているとはいえ好きな子を裏切って、他の男を抱いたなんて……ふと、あの時の凛もこんな気持ちだったのだろうかと思った。脅している時の……こちらを睨むようにして、いつも泣きそうな顔をしていた凛。考え過ぎて、体調を崩してしまった凛。義兄を守るために誰にも何も言えなかった凛。
じわ、と綾瀬の目にも涙が浮かぶ。大好きなあの子をこんなつらい気持ちにさせていたんだ。
どうすれば許してもらえるんだろう……。
必死に考えてもいい案は出てこない。丸まりながらごろんごろんと寝返りをうつ。ただただ、苦しいだけだった。
何時間かそんなふうにして考え込んでいた。外は夕方になっていた。時刻は十七時。ガチャ、と部屋のドアが開いて、誰かが入ってくる気配がした。顔をそっと布団から出すと、おしゃれな格好の凛が紙袋を部屋の端に置いて、綾瀬の方に向かってくる。なぜか航の姿はない。
「おかえりなさい、凛ちゃん……」
「……ねぇ、綾瀬さん。俺に何か言う事あるよね?」
「え……?」
「ないとは言わせないよ……」
凛がぎらりとした目で綾瀬を睨んだ。たれ目のおっとりとした顔が一転。その瞳に浮かぶものは修羅。激しい感情の発露。まるで嵐の前の稲妻のような目つきだ。
綾瀬は、何も言えなかった。凛が、ぐい、と綾瀬の首元を引っ張って顔を近づける。
「俺の事、絶対裏切らないでって言ったよね……!」
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