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悲しい
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朝起きてから、学校に行くまでの時間はとても長く感じる。
でも、今は違う。
「今日は西川君と喋れるかな……」とか、「今日の授業は難しいから、西川君の隣の席になれたらなぁ……そうしたら、わからないところ教えてもらえるかも……」
そんなことを考えているうちに学校に着いてしまった。
いつものように、教室のドアを開ける。
「おはよう……」
小さく挨拶をして、自分の席に向かう。
でも、返事はなかった。
そして周りを見渡すと、みんなはもう友達同士で話をしていたり、ふざ
けあったりしていて、僕には誰も話しかけてこなかった。
きっと僕なんかとは関わりたくないんだ……
そう思うと悲しくなってきて、でも泣かないように我慢した。
話しかけてくれるのは...
「よ、高宮。おはよ」
「おはよう...」
大倉君だけだ。
西川君はまだ来てないみたいでほっとする。
こんな泣きそうな顔は見られたくなかった。
教科書を急いでしまって、大倉君と同じ姿勢で机に突っ伏した。
「何、お前もねんの?」
「ちょっと考え事するだけっ」
はぁ...
心の中でため息をつく。
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