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2.神名(かみな)
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目覚めた僕は、傷ひとつない姿へと戻っていたけど、火傷をしていることにしてくれと、助けてくれた青年に、全身に包帯を巻いてもらった。
「神名(かみな)、可愛いから……その方がいいかもねぇ。また犯られでもしたら……あたしは」
「悪鈴(ありん)さん、優しいよね」
「……あら! 普段なら、ホイホイ手ぇ出すあたしだけどぉ、傷ついた少年いたぶるような趣味はないのよねぇ。うふふ」
包帯を巻く前に顔を見たけど、悪鈴さんをジャンルで言うなら、美人なお姉さん、と言った感じだ。
大きく波打つ長い髪は紫で、誘惑的な美貌。
「勃つから、やめてぇ。しっしっ」
「酷いよー!」
「あたしは、そういう女なの!」
「男でしょ?」
キーッと怒った素振りをするけど、ほんとはすごく優しいんだ。
「今日出掛けるけど、ついてくるぅ?」
「拾ってもらってから、ずっと悪鈴さん家にいるし……」
「そうだけどぉ、心配なのよ?」
「でも、悪鈴さんにも、ひとりの時間が……」
「神名、こんなにいい子なのに、だからこそつけこまれちゃったのかしらねぇ」
「……悪鈴さん、ちょっと」
「あーら、失礼!」
「1日いなくたって、大丈夫だと思う。僕も強くならないと! 精神的に」
「そう?」
悩みながらも、そうね、と悪鈴は笑う。
「じゃあ行ってくるわ。鍵だけは閉めるのよ?」
「はい! いってらっしゃい」
悪鈴さんが出掛けた後、僕は盛大に溜息をついた。
でも、やっぱり心配だったのか、悪鈴さんがすぐにチャイムを鳴らす。
「早かったね! やっぱ……」
「兄さん」
そこには、白のパーカーにジーンズといった、ラフな格好の無有。
けれど、それは……あの日と同じ格好。
僕は咄嗟に玄関のドアを閉めた。鍵を閉めようとするけど、慌てすぎて閉める前に開けられてしまう。
「無有!」
「悪鈴さんとは寝たんですか?」
「そんなわけないでしょ! 助けてくれて、匿ってくれてたんだよ!」
「じゃあ、いいですよね?」
足払いをくらって、ドンッと床に転がる。
起き上がろうとすると、ギュッと抱き寄せられた。
「!」
「……静かに抱かれないと、この家にも火をつけますよ?」
その言葉に、僕は動揺した。
「あの火事も!」
「……」
その場で、全身の包帯を解かれても、恩人である悪鈴さんの家を燃やすわけにはいかなかった。
「静かですね? 逃げてもいいんですよ?」
唇をキュッとしめて、顔を背けて、愛撫を受け続ける。
「まぁ、限界までくれば、逃げたくもなりますよね?」
ギュッと掴まれても、勃起しないそれに、苛立ったのか、口で奉仕され始める。
前回のように感じないと自分を信じていた。
でも、無有の仕草をチラッとでも見たのがいけなかった。
口で奉仕しながら、自らの昂りをしごいて、時折、上擦った声をあげはじめたからだ。
「やめて!」
ぴくんっともたげてしまったそれに、無有はニヤリと笑う。
「今度はイクようにしてあげますから」
指の爪で、カリッと先端を弾かれると、びくびくんと腰が震え、白濁液を無有の顔にかけてしまった。
「続きをやりたいところですが、また来ます。兄さんは、自分か悪鈴さんかをよく選んで、ボクに抱かれてくださいね」
ヒラヒラと手を振り、去っていく無有。
僕は無有が出ていくと、すぐにドアに鍵をかけて、お風呂場に駆けた。
(もう顔も見たくなかったのに!)
チャイムが鳴った気がして、慌ててバスタオルで体を巻く。
「はい!」
今度は、ちゃんと声をかけて。
「あたしよ。あ・た・し!」
ほっとしてドアを開けると、そこには、青い髪に黒スーツ姿のスラッとした美青年を連れた悪鈴さん。
「え……?」
いつもは結んでない髪を、後ろでひとつに結んでいる。
その姿が、無有とリンクする。
「やってんじゃねぇよ。俺の許可なく」
「!」
どすのきいた声を出されて、びくんっと体が跳ねる。
「……ってことで、おしおき。 青ウサ、宜しくね」
「畏まりました。悪鈴さん」
悪鈴に睨まれ、身動きひとつ出来ない。
青ウサは、壁に僕を押し付けると、バスタオルを奪い、尻の下に手のひらを入れて、ぐっ、と持ち上げた。
そのまま、逃げ腰になる僕の中に、凶暴なそれを押し当て、イヤイヤと首を振る僕にお構いなしに、ぐっと挿入してきた。
「ひっ……!」
「可愛いですね」
耳元に濡れた囁き。
「やめ……っ」
喋り方が無有に似ていると思うだけで、恐怖と快楽が同時にこみあげてくる。
「いいですよ。その顔。犯して挿れて、犯して挿して、狂わせたくなります」
お腹にあてられた手。
「ここに、オレの太くて大きいのが、出入りしてるのがわかるでしょう?」
「……っ!」
「あなたがおいしいって言っています。我慢しないで、声を上げて下さいよ」
低い声に囁かれると、自分のものがぴくんぴくんっと反応してしまうのがわかる。
「へぇ、オレの声お好きなんですね」
「ちがっ!」
「愛してますよ。あなたの欲情した顔」
キュンと後ろが締まるのを感じ、恥ずかしくて顔を背けると、耳の中に、ふうっと熱い息をかけられ、びくびくんっと熱を吐き出した。
「あ、あっ……!」
「いい顔するのねぇ? 神名」
「ど……して、こんな、こと」
「だって、あたしの愛する無有を横取りしたじゃない」
「……」
だから、と付け加えて、悪鈴が笑う。
「あなたが壊れちゃうまで、青ウサに犯らせるわ」
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