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閑話
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奥村さんが居ない部屋は静かだった。
奥村さんが居ない夕飯は楽だった。
いつもは食べられないイカを買ってきて調理した。簡単なものだったけど。部屋の中が臭いと、一度怒られて以来つくっていなかった。料理を作るのは苦手だ。奥村さんは好き嫌いが多いというのに、味にうるさいし。
そのあと、汗をかいたのでお風呂へ入った。イタリアではお風呂は毎日入らないという。そのことをしっても奥村さんは毎日風呂に入った。湯船につかって、日本の歌を歌うのだ。
だからなのか、お風呂は一番風呂だし。長いから俺が朝にまわるこももあったし。
大体、俺が別に暮らしたいと言ったときに家政婦扱いだったし。
久しぶりに湯船につかって歌を歌う。イタリアの懐かしい歌だった。口ずさむたびに、涙がこぼれた。
奥村さんが居ない部屋は静かだった。
奥村さんが居ない部屋は、とても寂しいものだった。
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