アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
黒い瞳1~R18+、腐オリジナル、異世界、インモラル
-
プロローグ
僕たちは通常『天使』と呼ばれるけれど、別にそういった存在ではない。
詳しいことはよく知らないけど、かつて大いなる存在がいて、そのお方が白翼のリュウラ、つまり僕らをおつくりになった。
僕らは三百年だけ存在し、その日が来たら空気中に霧散するらしい。
そして黒翼、ナラクのことはもっとわからない。
邪悪なリュウラがナラクになるとか、もともとナラクはナラクとして生まれてくるとか、諸説あるなかで、僕がけっこう気に入ってるのは、
『力のあるリュウラが生まれると、大いなるお方の意思が働いて、翼が黒く染まり、その肉体を禁域へ閉じ込める』
というやつ。
大人のリュウラはそれを引いて、僕らをよくおどした。
悪い行いをすると翼が黒く染まるよ、とか、禁域に引き込まれて二度と戻れなくなるよ、とか。
それでも僕はナラクに会ってみたくて、暇さえあれば禁域を探した。
その日は仲間の、聖なるオリーリオの説に従って、虹の果ての果てを追い求め…気づくと真っ暗な雲の中にいた。
その雲の中に何かがいて、僕をいきなり抱きとって、風切り羽を引き抜いたんだ。
僕は堕ち、そして着いた。
黒翼だけの国…
禁域に。
禁域
ヤミヤ様、嫌です、嫌、そんな、ああっ、痛い、痛い、痛い、やめてくださいっ。
泣き叫ぶ僕におかまいなしに、ヤミヤ様は気分の赴くままに思いを遂げる。
ヤミヤ様が僕を手放したとたん、ヤミヤ様の配下が僕に群がる。
ミと、ヒと、チ、そして名も知れない有象無象までが僕を抱き、貪り、貫き放つ。
僕は完全に彼らのオモチャだった。
ここは禁域。
黒翼を閉じ込める牢獄。
あの日、僕はほんの好奇心からここに近づき、ゼクウさんの手に陥ちて帰れなくなった。
つややかな黒の翼、すらりとした手足、翼と同じ黒の髪に、銀色に輝く強いまなざし。
それがゼクウさん。
僕が最初に出会い、風切り羽を抜かれた相手。
ゼクウさんは僕を嘲笑(わら)い、侮り、いまヤミヤ様がしてるみたいに僕を使った。
何一つ知らなかった僕の躰はその日初めてそれで貫かれた。
気を失うほどの激痛。
排出に使われる部位を押し開かれ、割られ裂かれ、激しく出血をみてる粘膜を、容赦なく男根で…
毎日毎晩絶え間なく、ゼクウさんは僕を使い、苦痛の中にも一筋の、快感のかけらを得始めた僕は徐々に、ゼクウさんといるのがそんなに苦痛でなくなっていった。
ゼクウさんの銀の瞳(め)。
優しさなんかかけらもないのに、何か全身預けてしまいたくなる雰囲気がある。
厚い胸、掘り出された彫刻みたいな割れた腹筋、僕を抱くときにきゅっと絞まる臀筋。
僕はゼクウさんに溺れた。
ずっとずっと抱かれていたかった。
でもその日、ゼクウさんは一瞬遠くを見、その一瞬に、僕らはたまたまヤミヤ様の一派に急襲されたのだった。
ナラクは全て、黒翼の先端に、何ものをも一瞬で引き裂きうる、強い鉤爪を持っている。
ヤミヤ様のそれは唐突に、本当に唐突にゼクウさんを引き裂いた。
ゼクウさんの血しぶきにまみれた僕をそのまま血だまりに押し倒し、ヤミヤ様は僕に分け入った。
赤い髪、緑の目、背中が異様に盛り上がった長身。
瞳は絶対に笑わない。
「おまえだね。ゼクウが拾ってきた年若い、図抜けて愚かなるリュウラというのは」
「リュウラですけど…確かにリュウラですけど、特別愚かという訳じゃ…、ああっ」
快感とも、悪寒ともつかないものが僕の身内を走る。
「禁域に望んで来るようなやつのどこが賢い」
「でも、これでも、天使長様付きの…」
「七翼の一人だって? そりゃあゼクウもはまるわけだ。大丈夫。これからは私が可愛がってやるよ」
中をこじるヤミヤ様の冷たい男根が僕を震え上がらせる。
ゼクウさんのは熱くて固くて…
ヤミヤ様のは蛇のようだ。
ヤミヤ様の根城に連れ帰られた僕は、ここでも毎日肉体を貪られていたけど、ヤミヤ様との関係は、ゼクウさんにされていたようには僕を捉えなかった。
最初に見たものを母と思いこむ愚かな鳥の幼子のように、僕はゼクウさんを求め、泣いた。
ヤミヤ様のことは好きになれなかったし、冷たいセックスにも慣れなかった。
そんな感情がヤミヤ様にも伝わるのだろう、ヤミヤ様は僕をかわいがるのをやめ、単に使うだけとなり、果てはヒやチにも使わせるようになった。
残酷なまでの乱暴さと、繰り返される凌辱。
心を置き去りに、肉体だけが快感を熟知し、臆面もなく叫んだり哭いたりできるようになってゆく自分。
ああ、今の自分なら、ヤミヤ様のもめいっぱいかわいがれるかもしれない。
そんなことを漠然と考えながらヒとチに弄ばれているさなかに、それは来た。
ヤミヤ様に引き裂かれ命果てたはずのゼクウさんが、完全な姿で、鉤爪を振りかぶって!
そうだ。
禁域そのものが『死』だから、ここでは誰も死なないんだ…
ヤミヤ様の首がはね跳び、ヒとチとキがズタズタの肉片となってかき消える。
僕はひとり血だまりのなかにぽつねんと残されている。
「待たせたな。セイスタルフリアンディスツームウェッシェンディスツフ」
ヤミヤ様からは噴水のように血が飛び散っている。
鮮血は僕を染め上げ、ゼクウさんをも染ああげようとしている。
かれは僕にキスする。
そして言う。
「俺がいない間の淋しさを、やつに慰めて貰ってたのか」
僕は自失状態で、答えるどころではなかったけど、
「構わねえよ。それよりさ、俺のも可愛がってくれるよな」
ヤミヤ様の血溜まりの中で、僕は何度も何度もゼクウさんに使われた。
僕たちは二人とも、全身くまなくヤミヤ様の血を浴びて真っ赤だ。
ゼクウさんが僕を咥え、僕がゼクウさんを咥え、しごきたてられ、顔にかけられ、後ろを舐められ嗚咽する。
「ゼクウさん、ゼクウさんっ」
「こんなに仕込まれやがって。お仕置きモンだ」
ゼクウさんのソリッドなそれが、僕の中にねじ込まれる。
熱い、熱い昂まり。
僕の本当に欲しかったもの。
「ああっ、ああああっ、あああああああああっ、」
「売女っ。淫売っ。誰でもおんなじくせしやがって」
「違っ…僕はゼクウさんが、ああっ、」
「聞かねえよ。かわいい声で哭いてろっ」
熱いそれに貫かれ続ける。
夢にまで見たゼクウさんとのセックス。
どんなに乱暴でもどんなに辱しめられようとも、僕にとっては至福であり、最良の時間だった。
僕は溺れた。
けど、戻ってきたゼクウさんが僕を抱いたのは、後にも先にもこの一度きりだった。
ゼクウさんはヤミヤ様に抱かれた僕を絶対許さないと言い、僕を他の黒翼たちに好きにさせたのだ。
ヤミヤ様やヒやチにされるならまだ耐えられる。
でも他の黒翼たちは、卑屈で卑怯で陰湿で、生き抜く気力も意思もない、ゾンビみたいな存在だ。
そんなやつらでも、欲求はあって、僕という、快楽に向かって這い寄ってくるのだ。
全身舐め回され、前を吸われ、あるいはしごかれ、貫かれ、僕は泣きながら、快楽の海を漂う。
そんな僕を冷たく、ゼクウさんが見ている。
時には女の黒翼を抱きながら見ている。
女の黒翼の、あられもない嬌声の向こうの、冷たい目のゼクウさんを僕は見ている。
そんな女でなく、僕を抱いて。
ゼクウさん。
ゼクウさんっ!
喉から手が出るほど言いたい。
けど言えない。
僕はかれの仇敵に身を任せた。
そんな僕にはもうかれは望めない。
それでも…
ついに耐え切れなくなって、僕は手首を切った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 8