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とっておきの贈り物 もとなる
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鳴瀬はメキドに頼み事をしていた。
「…知ってると思うが、もうすぐ基の誕生日。だから、料理を提供しようと思っている」
「ジャックは器用だけど、用語が分からないんだよね?」
「…意味は分かるんだが、実際にやってみると、上手くいかない」
「分かる。その気持ち。吾輩も修行中の時は、大変だった」
「すまないが、教えてくれないか?」
「もちろん。で、何を作ろうと思ってる?」
「…やはり誕生日にはケーキだろう」
「そうだよね。じゃあ簡単に作れるケーキを教えるよ」
メキドに教わりながらケーキ作りを始めた。調理器具の使い方は理解しているらしく、手慣れている。
「ジャックも料理すればいいのに」
「…加減が分からないし、仮に作れたとして、基に失敗を食わせる訳にはいかない」
「最初は誰だって失敗するって。そこから、上達すればいいんだよー。それにキングは喜んでくれるさ」
「…そうだな」
こうしてメキドに教わりながらケーキを作った。少し形は歪になってしまったが、とても美味しそうなケーキに仕上がった。
「…本当に、俺が作ったのか?」
「さすがジャックだね」
「けど、お前に教えてもらわなければ、こんなにいいものは出来なかった」
「きっとキングもかなり喜ぶよ。ところで、プレゼントは用意してるのかい?」
「それは抜かり無い」
「じゃあ、ケーキはキングにバレないように冷蔵庫にしまっとくか」
厨房の冷蔵庫にケーキをしまった。
そして、基の誕生日当日。店を閉めて、基は部屋に待機してもらっていた。
「…基。準備はいいか?」
「いつでもいいよ」
鳴瀬がドアを開ける。
「「誕生日おめでとう‼︎」」
部屋は豪華に飾り付けられていた。
「これ、みんなが?」
「当たり前や。間に合うように準備したんやけん‼︎」
「…自分も少し手伝った」
「姉さんはほどんど寝よった気がするっちゃ」
「何はともあれ。今日は基の誕生日なのです‼︎ しっかりお祝いしましょう‼︎」
「そんじゃ、キングは特等席で待ってて。料理持ってくる」
メキドが次々料理を運ぶ。
「さすがメキド。いつも美味しい料理、ありがとう」
「吾輩たちはキングに救われた身。だから、感謝の意味も込めて誕生日は盛大に祝いたかったんだ。それに、ジャックも作ったんだよ」
「え? 鳴瀬も?」
「…あぁ。メキドほどではないがな」
鳴瀬は慎重にケーキを運んだ。
「これ、鳴瀬が?」
「…見た目は悪いが、味は保証する」
基はケーキを食べた。すると、顔が明るくなる。
「うわぁ。すっごく美味しい‼︎ ありがとう鳴瀬」
「良かった」
「ジャックは容量はいいんだ。けど、大さじとか小さじと言った単語が分からなかったらしいから。だから、吾輩に教えてほしいって頼まれた」
「そっか。ありがとう鳴瀬。すごく嬉しい‼︎」
「…あと、これも」
縦長の木箱を開けると、地酒が入っていた。
「えっ⁉︎ これ、すごく高いやつ⁉︎ どうしたの⁉︎」
「晩酌好きな基のために金貯めて、買った」
「…これ、かなり高級な酒じゃないか。よく知ってたね。ジャック」
「Deathの情報屋に教えてもらった」
「チェシャ猫くんなら納得」
「あの方、何でも知ってますもんね」
「ありがとう鳴瀬。大好き‼︎」
「や、やめろ‼︎ みんなの前だろ⁉︎」
「…もう2人の関係は知ってるから。存分に楽しみな」
「じゃあ、改めまして」
「「誕生日おめでとう‼︎ 基‼︎」」
仲間から誕生日を祝ってもらった基はとても喜んでいた。
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