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ふぅ、と七生が深呼吸をした時だった。
噴水の奥の方から、二人組の男が、何か話しながら此方へ向かってきている。
アルファの雰囲気はあるけれど、関わってはいけない人達だと、七生は咄嗟に感じた。
「あれ? オメガじゃん」
「本当だ。なんでこんなパーティーに来れてんの?」
身分の低いオメガ風情が、と一人の男が青色のネクタイを緩ませながら言った。
どこか棘のある言い方に、馬鹿にしたように笑う二人組。
七生はびくっと肩を震わせて、何か言わなければと必死に口を動かす。
「あの、父の、関係で」
恐る恐る呟いた声は震えていた。すると、ずいっと距離を詰めてきた青いネクタイの男は、七生のチョーカーを人差し指に引っ掛けると、自身の方へ七生の身体を寄せた。
「どこの家だろ。オメガの生まれた家系なんてうちの関係にはいないはずだけど」
「……あれじゃない? 突然変異」
「うっわ災難ー。こんな性の捌け口にしかされないような人種、生まれても無駄でしょ」
どうせセックスするだけしか能がないんだから、と男は続ける。
「まぁでも、顔だけはいいから一回俺らとやってみる?」
「はは、いいねそれ。まわす?」
軽く笑った男たちはそのまま、七生の腕を乱暴に掴むと、そのまま大理石の床に押し倒してしまう。
オメガの力では、同性だとしても払いのけることが出来ない。力の差は圧倒的だった。
掴まれた腕に力を込められると、抵抗しようにも上手く動けない。
「やめて、ください……! 何を……」
七生がそう問うと、男の一人がニヤリと笑った。
「俺らがまわして頸(うなじ)でも噛んでやるよ」
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