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頸を噛む。
その言葉を聞いた途端、七生は自分の背筋がぞっと冷えるのを感じた。
「やっ、やだ、それはだめ……!」
アルファがオメガの頸を噛むと、“番”の関係が出来る。それは、アルファがオメガを言葉通り“言いなり”にすることの出来る、所謂契約のようなものだ。
オメガが皆チョーカーを首に付けるのは、添い遂げたいと思う恋人以外に頸を噛まれないためだ。突発的な発情でアルファのヒートを誘発させてしまった際、または強姦されてしまった時の自己防衛のため。
昔から、よく使用人からも言われていた。
『恋人以外のアルファに頸を噛まれたオメガは、永遠にそのアルファの奴隷になるしかない』。
言われる度に、七生は不安になっていたけれど。
実際にそうなるかも知れない状況に立たされると、非力な自分は何も出来ない。
やめて、と繰り返して、ただ手足をじたばた動かして抵抗するだけだった。
「くそ、暴れんなよこの野郎!」
バチン、と左頬に強烈な痛みが奔る。それに驚く七生は何も出来ず、ビュッという鋭い音と一緒に、着ていたワイシャツが破かれてしまった。
「……良い身体してんなぁ、オメガのくせに」
男の指が、七生の身体のラインに沿ってなぞられる。初めてのことに、恐怖でもう抵抗も出来なくなってしまった。
(やだ、やだやめて……お願いだから……)
こんなの嫌だよ。
じんわりと涙で滲む視界の中、何も出来ない七生はただ、心の中でそう祈っていた。
「……おい」
そんな時聞こえた声が、男たちの動きを止める。
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