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「パーティー、いつ始まるんですかね」
「夕方頃にはって話だったような気がするけど……って、七生パーティー好きだったっけ」
城島と初めて出会ったのは、彼の城島家当主となった祝賀パーティーだった。あの時は、なんだか息苦しくてたまらないなと思っていたけれど、七生は自分が主役となるお祝い事は初めてのため、少しわくわくしている。
「お祝いしてくださるなんて初めてなので……俺は、誰からも望まれてない子どもだったから」
アルファの一族に生まれたオメガ。それだけで、家族から敬遠されて疎まれていた七生は、兄や姉たちとは違う境遇で生きてきた。
ただ救いだったのは、母がいたことと、使用人が話し相手になってくれていたことだ。
だから嬉しいんです、と笑った七生の頭を、城島は「そうか」と言って優しく撫でた。
「城島の家には、お前のこと疎ましく思ってる奴なんていねえから。安心しろよ」
「はいっ」
———嬉しい……
弾んだ声で七生が返事をする。すると、髪を撫でた城島の手がするりと頬に伸びてきて、七生は一瞬身を縮めた。どこか躊躇いのあるその手つきに「城島さん?」と声を掛ける。
「……キス、して良い?」
「へ……」
視線を上へやると、そのまま唇を重ねられた。そっと離れた触れるだけのキスに、七生は頬を赤らめる。
こんなに優しいキスは初めてだった。何度も何度も、確かめるように繰り返されて、七生は戸惑いつつ、緊張で心臓をドクドクと鳴らしている。
城島はそんな七生に構わずキスを落としてきた。触れるだけだった唇が、いつの間にか互いを求める濃厚なものに変わっていく。
「……ん、んっ……」
(なに、これ……心臓こわれる……っ)
七生は恥ずかしく思いながらも、内心必死にそれに応えていた。
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