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午後五時頃、本邸の西側一階で行われたパーティーは、七生が思っていたものよりとても豪勢だった。ご馳走がたくさん並んで、来賓も使用人の数もそれなりに多い。仕立ててもらった白のタキシードを着て、主役である七生と城島は、主にその来賓への挨拶回りに追われて、あまり楽しむどころではなかった。
けれど、キラキラとした雰囲気は初めて参加した時よりとても心地良いものになっている。それに、会場にいる人たちが楽しそうに笑っていたので、七生はとても嬉しかった。
「……これが七生ちゃん? とっても可愛らしい子」
「本当ね。太史さんがまさかこんな可愛い子とご結婚されるだなんて」
「あのローランド家のご子息なんでしょう? 城島家も安泰だわね」
七生は「イギリスの名家から嫁いだオメガがいる」と噂されていたらしく、来賓から物珍しげに見られていた。それに、男性オメガを嫁に貰った城島も、日本でのケースがあまり無かったために、色々な人から騒ぎ立てられている。
何名もの来賓と話していると、七生は城島の対応力の高さに圧倒されていた。頭の切り替えが早く、すらすらと出てくるその言葉は相手をとても気分良くさせるらしい。城島と話す人たちは皆笑顔だった。
「まあ! なんって可愛いの!」
「ちょ、仁美さん近いですって」
落ち着いたイエローのドレスを着こなした美女に、七生はまじまじと見られていた。彼女が七生の真近で感嘆の声を漏らしたので、城島は呆れたように間に入る。
仁美(ひとみ)と呼ばれた彼女は、綺麗な栗色の髪を後ろで纏めている華やかな雰囲気をしていた。七生を紹介するなり、声を躍らせている。
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