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七生は、あまり風呂が好きではない。小さな頃から、所謂烏の行水といった具合で、髪と身体を洗うとすぐに出てしまう。昔から、七生は自身の身体を見るのが嫌いだったためだ。
男で生まれたけれど、ところどころに女性性を感じさせる曲線がある。アルファやベータの男性と全く違うのは、体型が著しく華奢なことだった。城島との身長は頭ひとつ分も違う。程よく筋力のある城島とは違い、七生は腕も脚も細く、筋肉はあまり付かなかった。
薄い胸筋には、自分では全く魅力を感じない。むしろ非力に見えてしまうため、もっと鍛えなければと毎度思っている。
首元のチョーカーは、七生がオメガであることの証明だ。けれどそれも、城島と番になれば必要はなくなるけれど。
番のいるオメガは、相手のアルファの匂いを纏わせることが出来るため、他のアルファが寄りつくことが無くなるので、襲われることは殆どない。
それを考えると、早くなってしまった方が良いのではと思う。けれど七生は、今すぐに城島と番いたいとはならなかった。
(俺は、城島さんといられるだけで幸せだもんなぁ)
“こいつを、守りたいと思った”
あんなに嬉しいと思ったことは、人生で一度もない。一緒に過ごせるだけで、七生は幸せだった。
それに、自分では求めてはいけないと、どこかで思っている。オメガの自分が、求めてはいけないと。
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