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すぐに風呂からあがると、七生用にと置いてくれていた寝間着に着替える。城島と同じタオル地の、色違いの寝間着は着心地が良い。サイズは少し大きめだけれど、七生にとってはこれで良かった。
濡れたままだった髪を拭いていると、居間の方から城島の声がした。ひょこっと脱衣所に顔を出すと、すでにあがって寝間着を着ていた七生に驚いたようだ。
「風呂早いなお前」
「はい、俺すぐにのぼせちゃうので……」
「そうか。確かになんか、顔赤い……?」
そう言うと、城島は自身の片手で軽く七生の頬に触れる。自分の頬より冷たいその手に、七生は「ぅわ!?」と情けない声が出た。
「あ、わり。俺つい触っちまうな」
「い、いえ! 俺が慣れてないだけなので……」
すみません、と七生が小さく言う。城島は二、三秒黙っていたけれど「だったら徐々に慣れてけば良い」と七生の頭にかけていたタオルでごしごしと髪を拭き始めた。
「わ、ちょっと城島さん!」
「こういう方が緊張しねえだろ?」
「わー、もう!」
自然と笑顔になっている。
恥ずかしい、ドキドキとは違う安心感———七生は、城島のことが不思議だった。
接しているだけで、自分の心が暖かくなる感覚がある。ドキドキもこのホッとする感覚も、城島が相手だと、七生は嫌ではなかった。
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