アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
9
-
「はは、せやから大丈夫やって。番の件に関しては、しっかり城島さんと話してみ?」
「は、はい……」
照れ臭さを紛らわせようと、自分の分のサンドイッチを小さな一口で頬張る。真っ赤になった七生を見た末次は、優しい笑顔を崩さず、七生を見つめていた。
それから、末次とは他愛のない話を沢山した。
今更だけど、と思いつつ七生は自身の境遇を話してみた。末次は嫌な顔一つせず聞いてくれ、時折「頑張ったな」と頭を撫でてくれたりもした。
こんなふうに、今まで自身のことを沢山話せる相手に出会ったことの無かった七生は、心が躍って、とてもわくわくしている。
「……お、そろそろ時間やな。おれもう作業終わらせないとあかんから、今日はこれくらいにしとこか」
時計を見ると、時計は午後五時を過ぎている。
散歩にしては長過ぎるかな、と七生は少し心配になった。
「ありがとうございました。また、お話出来たら嬉しいです」
「うん。おれも七生くんの話聞くん楽しいから、またいっぱい話そ。城島さんの愚痴でもええから!」
なんせ可愛いしな! と末次はおちゃらけつつ言った。小一時間話していたおかげで七生と末次の関係はすっかり砕けており、七生自身も「またそんなこと!」と、冗談を返している。
(俺も部屋に戻らないと。シャーロット達心配してるかな……)
トレーに飲み終わったカップとお皿を載せ、立ち上がった。
———すると、ぐらんと視界が揺れてしまう。
「……あれ?」
のぼせた時のような感覚だった。
頭がぼうっとして、身体の芯から熱い何かが湧き上がってくる。
久しぶりなものだけれど、七生はすぐにそれが何なのか気付いていた。
(あ、これ……っ)
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
85 / 178