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「それは、あいつに話すようなことじゃねえだろ。俺の問題を、あいつにいちいち話してどうすんだよ」
聞き慣れた声は二つだった。
低くて少し棘のある凛とした声と、高めで人懐っこい、言わずと知れたそのイントネーションで話す人を、七生は一人しか知らない。
(城島さんと、末次、さん……?)
前にあった二人並んで話す姿とは少し違っている。城島にあった尖りのようなものは無くなっていて、しっかり末次に向き合うように、話し方もそれなりに優しげだった。
「せやからって、追い出すようなことした挙げ句に気にするそぶりも見せへんってどういうことなんすか。これじゃあ七生くんが可哀想過ぎるわ」
(俺の話、してる……?)
二人から自分の名前を聞き取ると、七生はそっと耳を欹(そばだ)てた。
「やってる最中に辛過ぎて顔に出てまうとか。毎日毎日抱き潰される方の身になったことあるんすか」
「ばっ……お前なぁ」
言葉を選ばずに言う末次に、城島はたじたじといった様子だ。はぁ、と深く溜息を吐くと、前髪を掻き上げて参ったように眉を下げる。
「颯太(しょうた)は、これからも七生の側にいるだろうから……一応、伝えとくわ」
(なんの……話?)
その後、城島が発した言葉に七生は目を見開き、息を呑んだ。
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