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「そんな柄悪いつもりはねえけど、不安がってる七生を一人で行かせるわけにはいかねえじゃん。俺が付いてけるかも分かんねえから、それなら総出でと思って」
「……城島さんて、素でヤクザ気質という事なのでしょうか?」
「シャーロット、今それ言っちゃダメ……」
苦笑いしつつ、七生はシャーロットに言った。
部屋の時計を見ると、もう十時を過ぎていた。七生の事もあって遅くまで一緒にいるシャーロットは、まだ給仕服のままだ。
「そろそろ寝た方が良いかな。シャーロット、遅くまでごめんね。部屋に戻って今日は休んで」
「分かりました。では、また明日に」
「おー。お疲れ」
シャーロットが部屋を出ると、七生と城島の間には何だか重たい雰囲気が流れていた。不安そうな表情をした七生の額を軽く小突くと、城島は笑みを溢す。
「……すんげえ暗い顔してんじゃん。大丈夫だって」
「うん……大丈夫、とは思うんだけど」
「……だけど?」
城島に聞き返され、七生は思わず唸ってしまった。
「不安じゃないって言ったら、嘘になる……かも」
「はは。そうなるよな。自分にもう一つ名前があるとかいきなり言われたら、そりゃ不安にもなる」
繰り返し、城島は七生に「大丈夫」と言って励ましてくれていた。
(本当に大丈夫、なのかな……?)
色々と不安が付き纏ってくる。知らない振りをしようと頑張るけれど、そう思えば思うほど、漠然とした不安が襲ってくるのだ。
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