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パチ、と目が覚める。
「おはようございます。」
「…あ、」
目の前には光一の綺麗な顔。
顔…近い…。
俺が寝ていた場所は光一のベッドだったようだ。俺も光一も上半身には何も着ていない。
いつの間に寝てしまっていたのだろうか。光一の顔を見ながら考えていると、光一が頬を赤くする。
「あの、そんなに見つめられると…」
「…。」
「襲いたくなります。」
そんなに照れながら変態発言されても何も嬉しくないんだけど。
「あっそ。」
そう言って目線を反らすと、光一が俺の首元に触れてくる。俺がビクッと反応して驚くとその手をそのまま俺の背中にまわし、俺を抱き寄せた。
「怒りました?昨日の。」
「…別に。」
「拗ねないでください。」
「拗ねてない。」
昨日もこんなやりとりした気がする。
俺を強く抱きしめてまた髪に鼻をぐりぐりと押しつけられる。こいつたまに子供っぽいところあるよな。いやまだ子供なんだけどさ。
こいつのこと好きな女の子がこんなことされたらもうひとたまりもないんだろうな。
女の子。女の子。女の子。おんなのこ。
俺達と同じ生き物で、全く違う生き物。
俺も男じゃなくて女の子だったらこんなことにならなかったのかな。
俺が男じゃなくて女の子だったらこいつも普通に俺に告白してくれたのかな。
俺が男じゃなくて……
「うわっ、梶さん…?」
光一の背中に腕をまわしてみる。ぎゅっと抱きしめて光一の胸に額をくっつけて、さっき光一がしたようにぐりぐりと押しつける。
石鹸の匂い。光一の匂い。心臓の音。低い声。薄い胸。大きな手。硬い身体。男。男。男。男。
「はぁ…」と息を吐いて、腕の力を弱める。
すると光一に赤ちゃんをあやすように優しく髪を撫でられた。
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