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「うぅ…。」
ふと目が覚める。部屋の中は薄暗い。
もう一度寝ようと思い、何度か寝返りをうつ。光一は起きているだろうか。
「こう、いち。」
小さく、隣に寝ている男の名前を呼ぶ。
「…光一。」
起きる様子はない。こいつも学校行って疲れてたんだよな。起こすのも悪いか。
光一に背を向けて目を閉じる。
暗くて、暗くて。あの夢を思い出した。
首を絞められたときの苦しさがぶり返してきて上手く呼吸が出来なくなる。
俺は思わず飛び起きて浅い呼吸をしながら首をガリガリと掻く。血が出てしまうんじゃないかというくらいに。
「…梶さん?」
いつの間に目を覚ましたのか。光一が俺の異変に気づいて上半身を起こす。
「っは、あっ、こ、うっ、はぁっ、ひゅっ」
「し、深呼吸、出来ますか?」
そう言われて背中を触られそうになる。
「…っ!」
パシンと肌と肌がぶつかる乾いた音がして光一の手が宙に浮く。俺の顔はぐしゃぐしゃになって、涙がボロボロと止まることなく流れた。
「…梶、さん。」
どうやら俺は光一の手を拒んでしまったらしい。手を叩いた俺の手の甲はジンジンと痛んだ。光一が一瞬だけ見せた悲しそうな表情が脳裏に焼きつく。
「はぁっ、はっ、ご、ごめ、ゔっ、おえ゙っ」
反射的に謝ろうとしたら喉から上がってきたものが口から零れた。それは綺麗な白い布団を汚す。食べた夕飯が全部胃から出ていくような感じがした。
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