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Q.主人公 水樹の体質って結局何?
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A.
「そろそろ抑制剤、いるのか……?」
それはまだ、オレが安藤さんと知り合う前。
3回目のSubdrop(サブドロップ)を起こした時のことだ。
当時、まだオレは服従欲のSubだと思っていた。服従欲は最もスタンダードな欲求のため、Subの中でも1番該当する人間が多かった。
そもそも、DomやSubの欲求は検査で分かるものではない。本人の自覚だけで判断するものすごく曖昧なものだ。公的機関でも適性検査は行っているが、あくまで結果は目安であり分類が確定している訳じゃない。
欲求が満たされない期間が長くなるほど、Subdropの可能性は上がる。適度にPlayが必要だったが、何故か途中で欲しかったものが違う、乗り気じゃなくなることが多々あった。
躾としてのCommandが欲しいはずだったのに、いざPlayが始まるとただただ甘やかされたくなるとか。世話されたい気がしたのに、次の瞬間には乱暴な指示が欲しかったり。オレの気まぐれと言われればそうなのかもしれないので、最初に感じた欲求を変わった後も押し通した事がある。結果は見事にSubdrop。めまい起こした後に吐いた。
なら、オレが勝手にこんな気分だからと変えたらどうなるのか?今日は嫌なことが多くて甘やかされたかったので、躾を求めている感じだったけど愛情欲のSubとしてPlayしてみた。吐いた。またSubdropだ、チクショウ。
この感覚を例えるなら、病み上がりで久しぶりに食べたくなった唐揚げを、実際に食べてみたら気持ち悪くなる感覚に似ている。オレは欲しいけど体は欲してないってやつ。この頃は抑制剤も貰ってなかったから特に酷かった。抑制剤は副作用が強いので最終手段みたいなモンだし。
でも、これを人に伝えようとすると物凄く伝わらない。Subの気分次第でどうにかなると思ってる奴が多すぎるし、そもそもSubとしての欲求とオレの意思を他人が見分けるのは無理がある。結果、オレがものすごく気まぐれな最低野郎に見える訳だ。
「君のSub欲求の適性は……、アレ?この前は服従欲じゃなかった?今は愛情欲なんだけど……」
ほら見ろ、病院で適性検査を受けてみてもこれだ。もう何回目だよ。最初は抑制剤を出すのを渋った医者も、適性検査の結果が何回やってもバラバラなのを見てすぐ出した。深刻なSubdropの可能性があるからだと。ただし、あまりにも調子が悪い時限定で飲むようにとやたら念押しされたので、なるべく飲むのは止めようと思った。吐くくらいで済むならまだマシだろう。多分。
そして、オレは事情を理解してくれるDomを探し始めた。当たり前だがSubdropしないで済むならその方がいい。誰か良い奴いるといいなと少し不安になりながら、SNSを開いた。
(たまに水樹自身も自分の意思だかSub欲求だかの区別がついていないので、この話の少し後くらいにもう自分が気まぐれの最低野郎でもいいやと割り切りました)
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