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「僕は、相当面倒くさい奴です」
キラキラした朝日が差す席で、まず言う言葉。
場に合ってないけどしょうがない。そういう話がしたいんだから。
「面倒くさくて弱虫で、女々しくて。
普通のゲイと違いだいぶ重いタイプなので、それが無理なら…その、お断りしたくて……」
「あぁ、そうなのかなと思ってた。
もういっぱい話してるのに、まだ『話をしよう』って言うからね。これ以上付き合う前に話すことあったかなって逆に探したよ。
だから、この内容はある程度予想がついてた。君みたいのと付き合うのは初めてだけど、気になるから先には進んでみたいな。
誰かと付き合うのは、初めて?」
「あ、いいえっ、高2から大学4年の始めまで5年付き合った人がいました」
「そうなんだ、長いね。
その人とは別れたんだ」
「はい。そのまま、社会人になってからは誰とも。
…あの、別に初めてじゃないのにこんな純情ぶってすいません。詐欺とかじゃなくて、その」
「あははっ、そんなこと思ってないから大丈夫。
それじゃあ、君が慎重になるのはその恋が原因かな。
なんで別れたか、理由を聞いても?」
「……えっと…
ほんと若気の至りだったんですけど、最初はーー」
『お前もゲイなの?』と聞かれたのが始まりだった。
直向きに隠してたのに同類にはバレてしまうものなのか、そのまま流れで付き合うことになって。
初めての恋は、最高に楽しかった。
他と違う自分が受け入れられる喜び・セックスの気持ちよさ・そこから生まれる愛情や幸福。
周りに秘密で、自分たちしか知らなくて、そういう背徳感にも溺れどんどん どんどんハマっていって。
大学はどこも似たような学部ばかりだし、2人で適当なとこを選び進学した。
高校と違って自由な時間も多く、その分もっとズブズブに一緒にいるようになり。
ーーそこからだ、変わってしまったのは。
『俺、バイだったわ』
向こうだけ参加した飲み会。
朝帰りだったので訳を聞いたら、『女の先輩に迫られてホテルへ行った』と自白した。
『顔も体つきも好みだからどうしても抱いてくれって襲われるみたいに押し倒されてさ、焦ったんだけど俺 勃ってたんだよな』
嫌悪感はなかった。寧ろ興奮した。
それで気づいた。あぁ、自分は女でもいけるんだと。
「自分自身をまだよく知らなかったんです。
ゲイって自覚したときは幼かったし、小さな町だったから子どもはみんな顔見知りみたいな状態で、だから恋愛とかに発展しにくかったのはあります」
己の性癖に気付きにくかった。
たまたま男でヌけて『俺はゲイなのか』と思ったくらい。
広い世界に出てみれば、当たり前だけどそこにはたくさんの人との出会いが待っていた。
「それでも付き合っていたんです。
互いに初めての恋人だったし、言い方悪いですけど童貞と処女卒業した同士なんか絆みたいなものがあって」
その件があったあと僕も改めて考えたけど、やはりバイではなくゲイだと自覚した。
そんな僕を受け入れ、彼は共にいてくれた。
でも、段々…段々とーー
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