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とりとめもなく
(恋は盲目、という言葉があるが、あれには間違いがある。)
実際は、とオレ、朝倉光が瞳を開けると、視界には俺の逞しい片腕に頭を預け、ぐっすりと寝入る恋人・宵宮美月の姿があった。
(…実際は、『恋はバカになる』の方が正しいだろう。)
ここはオレ…否、昨日からオレ“達”の家になった。オレの家で、同棲生活を開始したのだ。
オレの家、愛用のベッドの上。オレの腕枕でオレの美月チャンがぐっすり眠っている。…これを幸せと呼ばず、人は何を幸福と定義するのやら、わからなくなるくらいは、現在進行形で心底舞い上がっている。
「…ん。」
美月チャンが小さく眉根を寄せて、寝返りを打つ。凄い。寝返りを打つ時に、その愛らしい唇から漏れ出る吐息すら艶っぽい。
白状しよう、昨晩ヤッた。お風呂上りの美月チャンがあんまりかわいくて、ベッドの上であれやこれやイチャついていたら、何だかんだ良い雰囲気になって、オレも男だし、勢いで押し倒して、そういう行為に雪崩れ込んだ。
だから、今二人とも生まれたままの姿でベッドに寝転がっている。たった二人だけの部屋で、ベッドに寄り添い合って、互いに向き合って横たわっている。
…ありのままの事実を脳内に書き連ねているだけなのに、若干鼻息が荒くなってくるのは何故だろう。
オレは、空いている方の片腕で眉間を摘まむ。ヤヴァい。感動し過ぎて目頭熱くなってきた。情緒不安定過ぎて一周回って大迷子だ。どうしよう。
…グルグル思考を巡らせていると、ふと視線を感じる。すっと視線を美月チャンに戻すと、彼はいつの間にか起きていて、その小顔を斜めにこてんと倒して、小さな唇を動かした。
「…おはよう、光君。」
諸君、聞いてくれ。
今なら、オレ、余裕で悔いなく死んじゃえるわ。
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