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「う~寝不足だぜ…」
隼人との約束を取り付けた日の夜、俺はガイドブックとインターネットを駆使してものすごい調べた。
ほーんと、隼人と行くならどこでもいいんだけどなー……と思いながらも、目についたのはひとつの神社。
「縁結び……か」
そこは縁結びがご利益で有名なところで、紅葉とかもすごく綺麗らしい。
行きたい…隼人と行ってみたい…
けどなあ……、男2人で縁結びの神社なんて、隼人イヤがるだろうし……。
!
あ、噂(?)をすれば!!!
「はーやーとー!!!」
「……。」
通学路の途中で、隼人を発見した!
しかし返事が返って来ないぞ!
「はやとーーーー!!!」
「……」
「は、や、とー!!!」
「……」
あれ……そんなに離れてないはずだけど……聞こえないのかな?
そう思って俺はパタパタと駆けて行き、
その大きい背中に飛び付いた。
「隼人!おはよう!」
「っ、朝からうぜえな。」
「おはよ?」
「……」
「おーはーよっ」
「っち。はよ。」
無事、挨拶が返ってきたところで俺は隼人から離れる。
「……お前、顔ひでえぞ。」
「!えぇ!元々俺はひどい顔ですけど何か!」
「ひでえ顔がもっとひどくなってんだよ。」
「そこフォロー入れてよ隼人!」
俺が隼人みたいにかっこよくないことは知ってんだよばかー!
背も低いし、顔も普通。
生まれたときから自覚済みですけど!?!?
「隈だよ、隈。」
「!あぁ!」
「何。寝てねえの?」
「うん、ちょっと調べ物を……」
「……お前、ただでさえ馬鹿なんだから早く寝ろよ。
倒れたらどうすんだ。」
「!心配してくれてんの!?」
「……めでてえ頭だな。」
そう言って隼人はフ、と笑った。
何コレ!朝からかっこよすぎやしませんか隼人さん!
「で、お前は何を調べてたんだよ。」
教室に入ってすぐ、隼人はそう聞いてきた。
「あ、ちょっと待って!カバン置いたら隼人の席行くから!」
俺は一旦自分の席に行きガイドブックだけ持って、隼人の席に向かった。
「候補決めてきたの!」
「随分早いのな。」
クスクスと隼人に笑われて、ちょっと恥ずかしい。
「お、折ってあるとこが候補のとこね!」
「へえ。」
「隼人はどこがいい?」
「んー……。」
パラパラとガイドブックに目を通す隼人を見ながら、俺は前の席の椅子を借りて座る。
ページをめくる男らしい手を見て思わずドキッとしてしまった。
俺も慣れないやつだな…そろそろ免疫出来てもいいころなのに!
隼人病のワクチンとか誰か作って欲しい。
じゃないとそろそろ心臓発作で俺倒れちゃうかもしんない!
「別にどこでもいいや。お前決めとけよ。」
最後までガイドブックを見終わると、隼人はそれを閉じて机の上に置いた。
「今の候補の中で?」
「そうでもいいし、そうじゃなくてもいい。」
「……、わかった。」
興味なさげな隼人。
なんか俺、一人で浮かれてバカみたいかも。
たった1時間、一緒にいる場所を決めるだけなのに徹夜までして……。
ちなみに、縁結びのトコは候補に入れてない。
いや、俺の気分的には入ってるんだけどね!
たぶん隼人は気付かないと思うけど!
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