アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
5
-
そしてとうとう、待ちに待った修学旅行……!
ぶっちゃけ、1日目と2日目はどーだってよかった。
まぁ、隼人と一緒のクラスだからずっと一緒な訳だし、
それはそれで楽しかったんだけど……。
やっぱ2人きりって違うよね!全っ然違う!
「自由行動楽しみだね」って飽きるくらい言ってたら、
最後は「しつこい」って怒られた。
「これから1回言うごとに俺の奴隷1日な。」なんて言われて、
そんな魅力的な罰だったら喜んで!と思ったり。
ま、隼人に睨まれるの分かってるから言わなかったけど!
「ーー時間厳守だからな。解散。」
先生の説明の間も、隼人と早く一緒にまわりたくてうずうずしてたから、
"解散"って言われた瞬間に隼人の元へと走った。
しかし!
そこにはわらわらっとライバルが!
「隼人くん、私たちと一緒にまわらないー?」
「大勢でまわったら楽しいしー、どうー?」
女の子たちのグループが、隼人の周りに集まっていたのだ…!
「あぁ、悪いけど俺、もう約束があるんだよね。」
困った風に笑いながら、隼人は言う。
……俺にはいつも冷たいくせにさ!女の子たちにはああやって優しく笑うんだぜ!
「約束ってー?」
誰とまわるのー?なんて口々に女の子が騒ぎ始めるから、俺は出るに出られなくて。
だって今、「隼人とまわるのは俺でーす」なんて言ってみろ!
女の子から袋叩きにあうぞ……!
「あ、さとる。」
……!!!
ほとぼりが冷めてから……と思ったのに、俺に気付いた隼人が名前を呼んだ。
「おそいぞ、早く行こう」
!!!
ちょ、女の子たち睨んでますけど!!!
「何固まってんの、早く来て。」
隼人はズンズンと俺の近くに歩いてきて、腕を取って歩き始めた。
わわ!歩幅違うんだから考えてよね!
身体の半分が脚なんじゃないかっていう隼人とは違うんだからね!
それにしても……。
「あーあ、目ぇ付けられちゃったー……」
「あ?」
「隼人のせいだよばかー……」
女の子たちすんごいこっち睨んでたよ!どうしてくれんだ!
「何、そんなに俺といるの見られちゃ駄目だったわけ?」
眉をピクリとさせて、隼人が低い声で聞いてきた。
「ううん!とんでもない!
で、でも女の子たち怒ってたからこわいなーみたいな。」
「あんな奴らにどう思われようが別にいいだろ?」
あ、あんな奴らって!
「ちぇ。いつも女の子たちには優しいクセにさ。」
あんな奴らとか言っちゃって!そのくせモテモテなんだぜ!
しかも、俺にはあんな笑顔で笑ってくれたことないのに!
「おまえもあんな風に接してほしいわけ?」
「え!」
「ああやって笑ってほしい?」
「、え、どー、だろ?」
いきなりそんな聞き方されても困るんだけどな……。
俺、いつもみたいな隼人も大好きだもんな……。
「た、まにはしてほしい、かも。」
「わかった。そうするよ。」
そう言って隼人は、ニコリと笑った。
「!!!」
うぅわあああ!!!
何そのかっこいい笑顔!!!俺の心臓に攻撃しすぎだから!!!
…うーん、でも、なんかちょっと、ん?
「どうした?」
「うーん……かっこいい、んだけど、
ちょっと変な感じ。」
作り物みたいに綺麗すぎて、違和感。
そう言ったら隼人は少し目を見開いて、
「ククッ、やっぱおまえサイコーだわ。」
いつもみたいにあくどい笑みを見せながら、俺の頭をぐしゃぐしゃとかきまぜた。
「え?よくわかんないんだけど…」
とりあえず、はっきりしているのは隼人がうれしそうに笑っていることだけ。
「あ?別にわかんなくてもいい。」
「?」
「けど、どっちが特別なのか理解しろよ。」
「???ど、どっちって…」
どういうこと?
今日の隼人はいつも以上にわかりません!!!
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
5 / 7