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episode 1 : Eye Operner
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~空港~
「あぁ…疲れた。」
俊宏(ジュンホン) 20歳 台湾出身
_________________________________________
俊宏は昔から親の仕事の関係で日本と台湾を
行ったりきたりしている。
親の仕事が終わればまた台湾に帰れる。
そう思っていたのに。
父 : 「今回は少し仕事が長引きそうでな…、
しばらくは日本に住むことになる。悪いな俊宏。」
まじかよ。
日本には昔からよく行っていたから
自然と日本語も覚えていたけど、
正直好きって訳じゃない。
憂鬱すぎる。
早く1人暮らしして、1人で自由に生きたい
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
数日後
教授 : 「来週までに提出するようにー。」
俊宏 : 「…zZZ…。」
俊宏は日本の語学大学に通っている。
日本にいる時間が長い時はこの場所に通ったり、
台湾に帰ったりの繰り返しだ。
「ん!!…おい、ジュン!!」
俊宏 : 「…んん、、あ、?…。」
マシュ : 「講義、終わったぜ、昼飯行こ。」
俊宏 : 「ふぁ〜…おう。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
俊宏 : 「ふぁあ〜…。」
マシュ : 「お前さ〜、本当によく寝るよな?
寝不足か?笑」
俊宏 : 「ううん。全然〜。」
マシュ : 「ほんっと、やる気ねぇのな。笑」
彼の名前は「マシュ」スウェーデン出身で
俺がこの大学に入学した時、マシュの方から
話しかけてくれたのがきっかけで
大学の時間はほぼ彼と一緒に過ごしてる。
それから仲良くなってからは”ジュン”って
呼ばれてるわけで。
俊宏 : 「全然ねぇよ。だって俺、英語話せるし。
お前だってペラペラだろ。」
マシュ : 「英語はな!てかジュンは?何か夢とか
そういうのねぇの?」
俊宏 : 「ねぇな。」
マシュ : 「はやっ 笑。」
俊宏 : 「だってねぇんだもん。適当に働いて、
1人で楽に住めればそれでいいかな。」
2人で買ってきたホットドッグを咥えながら
俊宏は答えた。
勉強?…
そんなもの真面目に受けるわけがない。
大学はただの暇つぶしだ。
行きたくて行ってるんじゃない。
全部、親の都合に付き合ってるだけだ。
今までずっとそうしてきたから。
マシュ : 「はは 笑 まあ、ジュンらしくて
いいんじゃない?」
俊宏 : 「…?」
マシュ : 「俺はジュンのそういうとこ
嫌いじゃねぇよ。なんつーか、
自分持ってるって感じでさ。むしろ好き〜。」
ホットドッグを食べながらマシュは言う。
俊宏 : 「…。」
違う、そうじゃない
今まで全部、従って生きて来たから…
_________________________________________
幼少期の頃 (俊宏)
父 : 「俊宏、明後日から日本に出張することに
なったから、準備しておきなさい。」
俊宏 : 「に、ほん?」
物心つく前に両親は離婚して、
父親が俺を引き取った。
空港の中でも家でも常に教材を渡されていた俺は
気づいたら英語、日本語、台湾語の3ヶ国語は
余裕に話せるようになっていて、
父 : 「よく、頑張ったな。俊宏。」
俊宏 : 「…うん…// 」
成績が良いと父親はよく褒めてくれた。
それが俺は嬉しくて…
唯一、勉強が俺の友達みたいな存在だった。
でも
18歳の時
父 : 「俊宏、お前、将来の夢とかあるのか?」
俊宏 : 「…え? いや…特には…。」
父 : 「そうか。ならこのまま大学を卒業したら、
俺の会社で働きなさい。」
俊宏 : 「、、、。」
父 : 「俺と働けば住まいも、食にも困る心配はないし、それにお前は頭も良い。どうだ?いい話だろう。」
そうだ。最初から分かってたことだ。
父親が俺を引き取ったのも褒めてくれる理由も、
全部、自分の物にしたいからだ。
その時、今まで一度も思ったことのない
感情が芽生えた。
“嫌だ” と。
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