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——なんでこんな事……
シュウヘイの思考はそれ以上続かなかった。
「くっ…」
小さく震えた次の瞬間、勢いよく溢れ出した生温さが太腿の付け根を伝い下半身をじんわりと包み込んで行く。
激しい後悔と羞恥心が湧き上がるが、それ以上の強い開放感にその行為を止める事が出来ない。
「あ…あぁ……あ…」
口から零れる音が、焦りによるものなのか、快楽によるものなのか、最早自分でもわからなかった。
相当我慢していたはずだ。
溜まっていたものを吐き出すにも時間がかかる。
全てを出し終え抜け殻にでもなった様に、シュウヘイは呆けた顔で後ろのポールへともたれかかった。
安堵にも似たため息を一つ吐くと、勝手に体がぶるぶると短く震える。
いつの間にか閉じていた目を薄く開けてみれば、正座した自分の下半身が映った。
ネイビーのスウェットが股の部分を中心に広範囲に渡って色を濃くしていた。
——ついにやってしまった……
ダークブラウンのフローリングに広がるスウェットが吸いきれなかった液体を、シュウヘイはまるで他人事の様に見つめた。
放心状態のまま長い時間を過ごしていると、意識とは無関係に身震いが起きた。
濡れた部分が急激に冷えてきていることに気付く。
水気を含んだスウェットが下腹部を冷やし、このまま過ごせば腹を壊してしまうしだろう。
それだけではなく、床に広がった物だってフローリングと言えど、自然乾燥させるわけにはいかない。
自分の粗相なのだ。
自分で片付けるのが道理だろうが、今のシュウヘイにはどうすることも出来なかった。
シュウヘイは現在、麻縄で後ろ手に上体を縛られているからだった。
更にその縄は背後にあるポールにきつく結ばれているため、殆ど身動きが取れなかった。
足はある程度自由になるが、なんとなく足を崩すのもいけない気がして、正座を続ける内に感覚がなくなっていた。
そもそも、体の自由がきくのならば、20歳を過ぎた大人がこんな場所で漏らしたりなどしない。
幸いな事に、まだ小だけで済んでいるが、このまま腹を冷やし続ければ、次は——
不安を煽る様に、シュウヘイの腹がグルっと一つなった。
「ヤスー!ヤスー!!!!」
サッと血の気が引くと同時に、シュウヘイはほぼ絶叫する。
自分をこんな目に遭わせている男の名を。
期待はしていなかった。
尿意が限界を迎えそうだったついさっきも、大声で彼の名を呼んでみたが、反応はなかったし、もしかすると、隣室どころか、何処かへ出掛けてしまったのかも知れない。
それでも、呼ばずにはいられなかった。
例え愛する人のためでも、シュウヘイはこれ以上人として何かを失いたくはなかった。
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