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◆13
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首絞めの一件以来、少しずつ、だが確実に何かがおかしくなっていった。
その一つは昼時になると、シュウヘイの元に餌が届けられる様になったのだ。
餌と言っても、もちろん犬猫のそれとは違う。
日によって内容は様々だが、大抵は大手のデリバリー業者から届けられる物である。
そういった業者は大概、1000円以下の宅配はしない。
ランチに毎回1000円以上かけるなど、よっぽどの収入がある者でも今時珍しく、シュウヘイは心苦しかった。
だが、シュウヘイには拒否権はない。
やんわりと、自分で作ってきちんと食べるからこういったことはやめてほしい旨を伝えたが、ヤスヒコは今まで、そうしていると思っていたのに実際は違ったから、その言葉は信用出来ないと、聞き入れてもらえなかった。
仕方なく、それに従うことにしたものの、元より食の細いシュウヘイにとって例えばピザのMサイズを昼飯に食べ切るのは無理がある。
残してしまうか、無理矢理に詰め込んだ日には夕飯が入らないと言う事も少なくない。
そんな時、ヤスヒコは怒りはしないが、仕置と称してシュウヘイを縛り上げることがあった。
最初は単に縛るだけで、行為自体はノーマルであったが、一度そちらへ足を踏み入れると、もっと奥へ進みたくなるのが人の性と言うものなのかも知れない。
一応、鞭で打ったりなど、直接的な傷をつけることには、あまり興味がないらしく、拘束することが、とにかく好きな様だった。
体調不良によって、全く食事が喉を通らなかった時などは、首輪とリードで繋がれて一日を過ごした事もあった。
ペットだなんて思っていないとは言ったのは、いつのことだったか…
しかし、シュウヘイにとっても自ら望んで軟禁状態でいるよりも、物理的にしろ束縛されている事が嬉しかったのだから、なにも狂い始めていたのはヤスヒコばかりではない。
それでも、二人の行為はSMと呼ぶには生温い行為だったのは間違いないだろう。
倦怠期に訪れたちょっとした刺激程度の行為に変化が訪れたのは、ヤスヒコがとある物に出会ってからだった。
大手動画サイトのページでふと目に止まった動画をクリックすると、映し出されたのは、異様な光景だった。
自分たちとあまり年齢が変わらないであろう男性が、股間を強調するような体勢で椅子に縛り付けられていた。
淡々としているが、どこか興奮を含んだ声で別の男がその様子を実況している。
表示を確認するに、どうやら生放送らしい。
すぐにシュウヘイを呼んで、共に視聴する。
動画の制限時間は30分だが、利尿剤を盛られ自由のきかない彼がその間耐えられるのかと言う実験らしい。
流石に30分は無理だろうと言うのは、縛られた男の顔を見れば明らかだった。
そこで、声の男が制限を10分にし、その間耐えられなければ罰ゲームと言う提案をする。
縛られた男を心配するコメントより、耐えられる時間を予想するコメントの方が多く流れれていた。
当然かも知れないが、罰ゲームへの期待を匂わせる予想が大半だった。
なんとも悪趣味だ。
これは同意の上なのだろうか?何かの犯罪ではなかろうか?と言う不安が立ち込めるが、そんな事も気にせず下卑た言葉を垂れ流す他の視聴者にも煽られて目が離せない。
縛られた男の方はどこかシュウヘイに似ているとヤスヒコは思ったが、隣で不安気な表情を浮かべる彼を一瞥するだけで、そのことは口にしなかった。
間も無く9分と言う辺りで、声だけの男がカウントダウンを始める。
あれ?と思っている内に、カウントはゼロになり、態とらしい労いの言葉と同時に縛られた男は恍惚とも言える表情を浮かべてグレーのスウェットの股部分を濃く滲ませていった。
「うわぁ…」
自然と二人の口からは軽蔑混じりの声が漏れる。
その時は、全く自分たちへと繋げる事もなく、その動画を少しの嫌悪感も交えながら見ただけだった。
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