アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
本音 -4-
-
櫻井の答えを聞いても、黒宮の表情は変わらない。櫻井は武上と話している時の気分を思い出していた。
「香月くんの『ああいう』所は、話したことはなかった筈だけどね」
即座に入る指摘。しかも、その先に櫻井が答える言葉も既に分かっているような顔つきだ。
尋問まがいのことをされながらも、黒宮の愛撫は続いている。頭ではこの現状への恐怖と言葉選びに集中したいのに、体は半ば強制的に淫らにされる。
このチグハグな状況に頭はグルグルと回り始める。気を張らなければ、と両の拳をグッと握りしめた。
「社長からうかがいました……ああいう所までは、聞かされていませんでしたが……」
その答えを聞いて数度頷いたあと、黒宮は笑顔を見せた。しかしそれは、いつも櫻井の言動に対して見せるような、おかしそうな顔ではない。
「それを聞いて、自分もあいつらを良いように動かしたくなっちゃったんだ?」
その表情、声色にも、邪気と悪意がふんだんに込められていた。櫻井は、ベッドに押しつけられた背中が妙に汗ばんで感じた。
「そこまでではないです……ただ」
もうこれ以上は隠し通せない。いつかは不審に思われるだろうとも、思っていた。
「ただ?」
「前のようにあいつらが不祥事起こしたり……他にも、どんなアクシデントがあったときでも、あいつらを守れさえすれば……それでいいんです」
「…………」
何だ?
黙ってしまった黒宮の表情を覗き込んで、櫻井の頭に疑問符が浮かぶ。
多分彼は自分のこの回答を想定していなかった、そういう顔をしている。そうとしても、本当に不意を突かれたように固まってしまっている、目線もどこか虚ろで……
ハッと目が合わさると、黒宮はフーと息を吐きだした。
「なるほどね」
頷いた彼は、また笑顔になる。今度は呆れたような、おかしそうな、櫻井の記憶にもある顔だ。
「毎回お前の答えは俺の予想より斜め上だ……さて」
先の沈黙の時に止まってしまった、黒宮の愛撫の手。亀頭の先を一撫でされてそれは完全に離れてしまった。
櫻井のペニスは更に求めるように、天井を仰ぎ主張している。
「俺はおおかた納得したけど、お前は仕事にでも行く?」
「…………」
櫻井はすぐに答えられなかった。
何も躊躇うことはない、今はとにかく社長に会って、早いところリカバリーをしなければならない。
ここで出て行って、黒宮が引きとめる雰囲気ももう無い。答えは決まっている。
「…………今日はもう、諦めます。俺が出ると余計話がややこしくなりそうですから」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
33 / 88